26-4.愛し合う事しかできない
「……おっせーなぁ、神父」
ワゴンの中、雨の降り注ぐ外を見つめながら創介が呟いた。
「どこまで走ってったんだかな」
「さぁ、痴話喧嘩でもしてんのかね」
凛太郎がペットボトルの水を一口飲んで、また蓋をした。
「あんまり外にいても危ない気ぃすっけども……。あっ、まさかコレか!」
創介が言いながら下品なジェスチャーをして見せた。慌てて凛太郎がそれを手で叩いて払いのけてやめさせようとする。
「こんの馬っ鹿野郎! そういういやらしい手付きすんな!」
「だって久々に恋人にあったらそりゃお前……フゥーッ! やる事は一つだな〜、えー、おいおいおいっ」
にやけながら創介が得意顔で言う。凛太郎の肩を揺さぶっていると、背後から有沢に頭を思い切りバシンと叩かれてしまった。
「……女の子もいる事を忘れるなよ」
「イテテ……、畜生。カマトトぶりやがって、こいつ。本当はこの中で一番のムッツリ野郎のくせに。俺は忘れないぞ、お前の言った最ッ低の語録の数々を……」
「……あれは貴様がおかしな誘導尋問してくるからだろう! まるで人の事を探るかのように」
背後でのやりとりを聞きながらセラはもう無視を決め込んでいる。腕を組んでかたく目を閉じたまま口も挟まない。
「あのさ」
盛り上がる二人に突っ込みを入れるのは、いつも通り不機嫌な雛木だった。一同の視線を受け、組んでいた腕と膝を解放させて雛木が言葉を続けた。
「盛り上がってるとこ悪いけどねー」
まあ、その口ぶりは全く悪いとは思っていなさそうであったがそれもいつもの通りだ。
「……その女の子がいませんけど?」
雛木の言葉で創介はようやく気がついたらしい。
「あり、本当だ。どこ行ったのかなこんな雨ン中。傘もささずに……おおっ、なんか歌詞っぽい」
「化粧直しに行く、って言ってたよ。ワゴンに乗る前にちょっと抜けるからねって」
一真がライフルを抱きかかえながら呟いた。
「ああ、なるほどね。この雨だもんな、そりゃ化粧も落ちちゃうわなぁ」
「ホントにそれだけなのかねー」
納得したように頷く創介に被せて雛木が口を挟んだ。
「何っ?」
「べぇええっつにィイ〜」
聞き返す創介にも、答えることはなく雛木はぷいっとしてしまった。
「雛木、分かっているだろうがおかしな真似をしたら……」
「んもう! 分かってるよ、有沢くんったら。ここまで来て僕が裏切るような真似するワケないじゃんか。めーんどくさっ」
有沢の言葉に雛木は不機嫌そうに顔をしかめた。
公私を明確に区別すること。
人の前ではきちんとマナーをわきまえること。
人が成長する上でそれは誰から学ぶでもなく、ちゃーんと身につけていかなくてはならない事柄であろう。
勿論、二人ともまだ人生の半分も生きちゃいないがそれは十分学んできた筈だったのだけれども……――まぁ、今だけは許してください。あともうちょっとだけでいいから――誰に向けた言葉なのかよく分からないがミミューがそう思ってふっと笑った。
「あ、ふ……アッ、ん――ね、えガイ」
「な、何だ?」
「……うふふ、いっぺん抜いてあげようかコレ。もう辛そうだよ」
言いながらミミューがガイのその股間に手を置いた。
ねえねえ呑気にセックスしてる場合じゃないよね
ねえねえねえねえきみたちい
顔を知って喋ったことのある人の同人誌とか
二次創作とかのエロシーン読むのって
クッソ恥ずかしいよな。
頑張ってもカアァ///ってなる。