【 フラジャイル 】


肌寒い季節の ベンチに座ってる
彼女はぼんやり 絵本を眺めてた
パーカーの袖に 真っ赤な傷痕
隠して笑ってた いまにも壊れそうに

名前の無い町で僕ら
名前の無い二人のままで
ストロベリーの風が吹いている
丘の上を目指していた

汚れない果実は いたずらな世界に
転がり落ちてって 誰かが笑ってて
それが耳障りで 震えていたんだ
「そんなの狂ってる」
「そんなの腐ってる」ってさぁ

名前の無い町で僕ら
名前の無い二人のままで
ストロベリーの風が吹いている
丘の上を寄り添って

コールタールまみれの 心臓を取り出して
言葉も交わさずに 結婚する夢

肌寒い季節の ベンチに座ってる
彼女はひとりで 夜空を眺めてた
パーカーの袖に 心の傷痕
隠して笑うとき 彼女は壊れた

名前の無い町で僕ら
名前の無い二人のままで
ストロベリーの風が吹いている
丘の上を寄り添って

コールタールまみれの 心臓を取り出した
言葉も交わさずに 結婚したのさ


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -