永遠よりも永く



杏樹さまへ 7600Hit記念
(里を抜けていない設定)



眩しい朝日、暖かい温もり、爽やかな髪の香り。うっすら目を開けると、目の前には愛しい彼の胸元、包まれている安心感。○○は彼を起こさないように布団を抜け出してカーテンを開ける。


「今日は物凄く晴天ね。」


昇る朝日に大きく伸びをして、○○はまたベッドに戻り、気持ち良さそうに眠るイタチの黒く艶やかな髪を撫で付けた。


「…綺麗…」
「…○○の方が綺麗だろう…」
「ごめんなさい、起こしちゃったかしら」
「○○のせいじゃない、気にするな。」


イタチはゆっくりと起き上がり、○○にキスをする。しかし彼はその直後に溜め息をついた。


「どうしたの?何か悩み事でも?」
「今日の仕事がなかなか手強くてな」
「どんな仕事なの?」


○○は、珍しくかなりテンションの低いイタチに優しく話しかける。彼が仕事を嫌がるなんて滅多にないことだけに、こちらも不安になってしまう。


「今日が何の日か分かるか?」
「んー…あ、アカデミーの卒業試験!…でも、それほど嫌な仕事?」
「俺が嫌なのはそれじゃない、その後の中忍試験と暗部採用試験だ。」


平和をこよなく愛しているイタチは、やはり生死を伴う任務をあまり良く思っていないらしく、その度に頭を悩ませていた。特に中忍試験となれば若い忍が多い。しかし実力のある者が高度な仕事を任されるのは当然なことで、それは彼自身もよく分かっている。だが苦手なものは苦手、もうどうしようもないのだ。


「大丈夫よ、その仕事の時は私も居るし、何しろ今年はサスケの暗部採用がかかってるのよ、やるしかないわ。」
「…あぁ…」
「ずっと傍に居てあげるから、ね?」
「…当然だ」


そう言って○○を抱き締めると、心の底からどうしようもなく愛しさが溢れてくる。


「ふふ、今日は甘えんぼなのね。」
「…○○が大好きなだけだ。」
「ありがとう。」


俺は今、幸せだと胸を張って言える。




(この愛が、ずっと続きますように。)


2009.2/17
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thank you!! :)



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