気まぐれハニー



もも様へ 6100Hit記念



分かっているのか、分かっていないのか。
自覚があるのか、はたまたないのか。
それが分からなくて俺はいつも苦戦する。



なんだか思い切りつまらなそうな顔をして広間に居座る男が1人。
彼の目は常に愛する○○へ向けられている。当の彼女は暁の中でも珍しい「女性だ」と言うことと、非常に人懐こい性格で笑顔が似合うと言うことでメンバーからの人気が根強い。しかし、一応○○の彼氏であるイタチはそれがちっとも面白くないために、鋭い目付きで彼女の回りに居る奴等を睨んでいた。もちろん、用もないのに広間にいる理由と言ったら、○○に悪い虫がつかないように見張っているだけのことで、彼は自分で自分に溜め息をつく。

「○○大好きなんだな、うん!」
「私も、デイダラが大好きよ。」

しかし自分から少し離れたところで雑談している奴等の台詞を聞いて、イタチは一気に青ざめる。デイダラと○○が相思相愛だなんて、天地がひっくり返ったって絶対にあってはならない出来事なのだ。

「○○、ちょっと来い」
「えっ、でも」
「いいから早く。」

無理矢理○○の腕を引っ張って自室まで連れていき、中に入ったところで彼女を壁に押し付けて深いキスを浴びせる。いわば消毒のようなその行為に、○○は頭が真っ白になった。

「ちょっ、ま、待ってイタチ、急にどうしたの?」
「別にどうもしない…自分の女とキスをするのは悪いことか?」
「そうじゃ…ないけど」
「なら良いだろう。」
「何も突然ここでしなくたって、んんっ」

キスの合間に身体を這いずり回る腕。
その腕がコートのボタンを捕らえたとき、○○はイタチの腕を掴んで止めた。

「ここは嫌よ、どうしたの?さっきから様子が変だわ。」
「…○○が、全然…俺のところに来ないから」
「え?」
「○○はデイダラが、大好きなんだろ」
「…は?」

突拍子もないイタチの台詞を聞いて、○○は目を丸くする。いや、そりゃデイダラのことが大好きだとは言ったけど、それはなんと言うか…そう言う大好きじゃなくて、

「ち、違う違う、あれは友達としての『大好き』よ、あなたへのとはまるで違うわ。」
「…本当か」
「ほんと。それに、ずっと隣に居て欲しいなら、そう言ってくれなきゃ分からないわ。ほら、行きましょ」
「?一体どこに、」
「続き、したいんでしょ?」

○○の言葉に顔を真っ赤にしたイタチは、彼女の身体を抱えて寝室まで運び、ベッドに横たえた。


いつも俺の一歩前を微笑みながら闊歩する彼女に、なかなかどうして俺はいつも勝つことが出来ない。




(絶対、いつか完全に俺のものにする。)


2009.2/5
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thank you!! :)



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