君のテクニックは最高です


ギャグ甘
哀様
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「なぁ、旦那ァ」

任務の帰り道、隣を歩くデイダラが珍しく質問を投げ掛けてくる。が、しかし俺は口を開かない。どうせコイツはまたくだらないことでも考えてんだろう。

「旦那は○○のどこが好きなんだ?うん、」

うわ、出た。究極に面倒な質問その1。俺はデイダラを睨み付けたが、そんなことが無駄ってのは解ってる。仕方ねェ、ここはいっちょウブなコイツを下ネタでからかってやるか。そんな軽い気持ちで口を開いた。

「あいつ、あぁ見えて上手いんだぜ。」
「?そりゃ、誰だって知ってるだろ、うん。」

真っ赤な顔して狼狽えるかと思いきや、奴は顔色ひとつ変えずに平然と言い返す。ってか、待て待て待て、誰だって知ってるってどういうことだ?まさかコイツも○○とヤったくちか?いや、その言い方からして、コイツに限らず他のやつらも、

「ば、バカ言えよ、あのテクニックは俺しか見たことねェよ!」
「はぁ?どんだけだよ旦那、あの無駄のない手の動きには鬼鮫だって骨抜きにされてんだぞ、みんな知ってらァ、うん!」
「きっ…、」

鬼鮫ェ!?
声を荒げて叫びたくなるのをぐっとこらえ、目をかっ開いてデイダラを見る。ヤツのきょとんとした表情が余計に苛立つ。そもそも○○は俺の居ぬ間になにやってんだ!「私にはサソリだけよ」なんて笑顔で言ってたくせに、あれは嘘だったってことかよ!

「あー、今日は何色かなぁ」
「あぁ!?」
「毎日違うのつけてんじゃんかぁ、うん。」

こ、こいつら、毎日見てんのか!?この俺でさえ毎日は見てねぇのに?俺が怒りのあまり頭を抱えて悶絶している合間にも、コイツは「白のフリフリが良いなぁ」なんてニヤけてやがる。白のフリフリって、あれか!俺のお気に入りのあの透け透けのベビードールのことかぁああ!!もう許せん!

「あいつ…!」
「なにキレてんだよ、旦那ァ!」
「うるせぇ、お前は黙ってろ!」

アジトに着くなり、ずかずかと入っていって部屋の扉を開ける。チッ、部屋には居ねぇか。となると…他のやつらの部屋に上がり込んでヤってんのか?俺は他の部屋の扉もひとつひとつ力任せに開けていったが、どこにも居ない。あいつ逃げやがったか?そう思った矢先、突き当たりの居間へ続く扉の向こうから声が聞こえた。

「あぁ、久々にやってしまいましたねぇ、」
「大変!すごく痛そう…私が皮むくの手伝うわ。」

そこまで聞いて、俺はとうとうブチ切れた。俺の居ぬ間にこんなところで堂々とヤるなんざ、とんだアバズレ野郎!今すぐ止めを刺してやらァ!

「ちょ、旦那、なんでこんなとこで」
「ソォラァア!!」

バンッ!

俺のカラクリで扉をぶっ壊し、血走った目で○○の姿を探す。どこにいやがる!ソファーか!?それとも…

「あら、サソリ、お帰りなさい!」
「サソリさん、なんで扉壊すんですか…」
「うるせぇ!お前らこそ昼間からこんなとこで何してんだァ!?」
「え?何って…夕飯のカレーライス作ってたんだけど。」

はぁ?なに今さらしらばっくれてんだよ、俺はもうデイダラから聞いて全部知ってんだぞ。物凄い剣幕で睨む俺の横を通りすぎていくデイダラが、笑顔で○○に話しかけた。

「お、今日はやっぱり白のフリフリじゃねぇか、うん!」
「お帰りなさいデイダラ、えへへ、これサソリが買ってくれたのだからお気に入りなんだぁ!」

白のフリフリ!それを聞いてハッと見てみれば、確かに彼女が着ていたのは白のフリフリ、の、エプロン。鬼鮫が居るキッチンへ視線を向ければ、彼はジャガイモの皮をむいている。さっきの「皮をむく」って、まさかこのことか?と言うことは、これは…もしかして、もしかしなくても、

「デイダラ…貴様…」
「へ?」
「紛らわしいこと言ってんじゃねぇ!!」

ゴチン!と鈍い音が響く。
デイダラが言う上手い、って料理のことかよ!余計な心配して損したじゃねぇか!

「いでぇ!!」
「な、なんでデイダラのこと殴るのよ!サソリ!」
「こいつが上手いとか言うから!」
「旦那が先に上手いって言ったんじゃねェか!じゃぁあれはなんのことだったんだよ!うん!」
「え、あ、い、いや、それは」
「…サーソーリー?」

○○がニコッと満面の笑みを俺に向けた3秒後、目の前に星が散った。


君のテクニックは最高です

(やっぱり、○○さんの包丁さばきは見てて惚れ惚れしますねぇ)
(旦那…目ェ覚まさねぇぜ、うん)
(サソリのことは暫くほっといて!)


2013/05/26
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thank you!! :)



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