6号室の追跡C

美咲が黒ずくめのやつらに連れて行かれ立ちすくんでいた。そんな俺達にアルベルトから追跡していると連絡が入った。



細川「やつらは黒いボックス型の車で逃走中だ。応援たのむ。」



紫苑『わかった。場所は?』




急遽、ルイスが運転する車に後輩と共に乗り込みアルベルトが言う場所へと急ぐ。




金沢「さすがリーダー、すっ飛ばす…。」


春華「安全運転でお願いします!!」



そらそうだろな。

ルイスの運転はかなり荒い、だがいまはそれどころではない。
が、荒い…。


春華「わ、わぁ〜!?」


紫苑『おっ、おい!?あんまりスピードだすな、逆に俺らが警察につかまる!!』



金沢「大丈夫よ、責任はアルベルトが取ってくれるわ!しっかり捕まってないと怪我するわよ〜!」



けたたましい爆音をあげながら車を爆走させ目的地に向かった。




春華「あっ、あれ見て下さい!」



目的地が近くなった時、後輩が声を挙げた。
その先にはヘリポートがあるビルが立っている。






春華「ここって…。」


金沢「あのビルに彼女達がいるようね。」


紫苑『あぁ。』



先に着いていたアルベルトと合流した俺達は、ビルへの潜入の為の作戦を作る。

あの時の事がまたおこるのだろか…?


話がまったく頭にはいらない。




細川「…聞いているのか?」


春華「先輩、先輩!」



紫苑『…あっ、なんだ!?』




金沢「もしかして、迷ってるのかしら?そうよね、あの子自身の意志だもの。」




そうだ…、あれは美咲自身の意志。
俺にはどうすることも出来ないが、あいつらをほおっておくわけにはいかない。
もちろん美咲の事もだ。

紫苑『…美咲の事は俺に任せてくれないか?』




細川「分かった、君に任せよう。だが、無茶はするな…。」


紫苑『了解!!』





金沢「うふふっ、それじゃ私からのお餞別よ。」


春華「それなら、これも使って下さい!最初が肝心ですからガツンと行っちゃって下さいよ。あとのことは任せて!!」






選別と称した武器が2人から渡され、俺はビルを見上げた。


紫苑『多分、最上階にいるんだろな…。』



後輩から渡された手榴弾で正面から最上階へ向かう。


ドーンと、凄まじい音をたて入り口から侵入する。





清水「おや…、来たのですね。流石ですよ。」



紫苑『ここをどけ!!』


清水「えぇ、どうぞ。」




紫苑『おっ、おい!?』


あの男の秘書らしい男が通すように道をあけた。一体何を考えているのか。

先に見えた階段を早足で駆け上り、なんとか最上階へ。

だが…。

紫苑『誰も…いない。なぜだ…。間にあわなっ!?』


彼女の話によれば最上階だったはず。

どこを捜しても見つからない、爆音が響き窓を見る。



紫苑『…っ、みさ…き?』



俺が見た光景はいままでにないほど、酷い有り様だった。
美咲を乗せたヘリが墜落していく。


その直後、アルベルトからの無線が入りビルをあとにした。



*****



何があったか知らないが、あいつからは生気が感じられない。


清水「おい、熊井。あれお前らの仕業か?」


紫苑『…っ、悪かったな。



辛気くせぇ顔しやがったやつをほっといて居間に置いてあった郵便物を見た。



清水「はっ!?」



手紙の差出人は海外で生活している両親の介護中の妻からだった。



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