01.手帳(1/5)
あるバーで学生の時からつるんできた仲間と楽しく過ごしていた彼女は鑑識官という仕事をしており、仲間には内緒にしている。携帯に電話があり、バー「まがいもの」から名前は出て行こうとする。
『ごめん、ちょっと急用入ったから帰るわ。』
「はぁ?もう夜の9時半だぞ!?」
『仕方ないんだって、仕事なんだもん。』
だからってと仲間の中でもよく一緒にいることの多い吉崎直に一体何の仕事しているのかと問われるが応えられない。
「心配する気持ちはよーくわかる。でもな!」
「心配ならお前が送ってやればいい。」
「おぉ、そうだよな!!」
『別にいいよ!それじゃ、またね。』
「おぅ、気をつけるんだよ。」
バーのマスターとその息子の遼が彼女を急いで出そうとするが彼は手を掴んで阻止する。
「親父!?何でだよ!名前、待てよ…、最近のお前さ、付き合い悪くなったよな?」
『別にそういうわけじゃ…。」
「おい、お相手名前!」
少し強めに怒鳴りつけたマスターにみんなの目が向けられ、お相手名前は手をはなした。
『ごめん、マスター、遼さん、ありがとうございます。』
「ん、いってらしゃい!」
遼がポンと夏希の頭を叩き彼女はバーを出た。それを入れ違いにある女性がバーを訪れる。
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