怖い話をしようか(2/5)
暑ーい日の夕方、俺は夏休み中で夕ご飯が出来るのを待っている。
今日は冷やし中華らしい、暑い日にはぴったりだ。




『ん、そろそろ飯か…。』



下から駆け回る音を聞いた俺はまたかと思い廊下に出て妹を怒鳴ってやろかと思った。



『おい、輝子(てるこ)煩いぞ!』



「だって〜、家の中に入ってくるんだもん!」


『はぁ?お前なぁ…。』



自室から一階に降りた俺、たしかに何か匂う。


「輝子、光生(てるお)、ご飯よ。」


「はーい!これ以上、お家に煙が入らないように窓閉めておいてよ?」



『しょうがねぇな…。』



もう一度、階段を上って自室の窓を閉める。毎年、この時期にはつきもの焼き肉だ。




『毎年、毎年よくやるよな。』



ため息を吐いて、ダイニングルームに足を向けた。



「窓閉めてくれた?」


『あぁ、ちゃんと閉めた。お前、本当に鼻が利くよな。』


「まぁね。」



テーブルにはもちろん冷やし中華。その他に温かいご飯?



『母さん、なんでご飯?』


「お母さんね、麺類だけじゃ足りないのよね。」


「うん、うん。わかる、ご飯も欲しくなるもんね。」



冷やし中華だけじゃ足りないのかと突っ込みそうになったのは言うまでもない。
温かいそばやラーメンならわかるが。

「それしてもよくやるわよね、焼き肉。」

「特に真田さん家!本当にいい加減にしろっての!!」



『おい、ただでさえお前は声が大きいんだぞ。声を小さくしろよな…。』




いきなり大きい声で妹が真田さんちに向かって言ったのは俺も母さんも困った。


「光生もよ、お母さんもだけど。」


「だって、真田さんが…。あっ!?」



いきなり何だよ!
輝子は何かを思いだしたらしい。
だが、意味がわからなかった。


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