05.オルゴール(2/9)
次の日、約束通りに父と共に酒口典子の自宅へ。呼び鈴をならすと彼女ではなく息子の幸人がでた。



「はい、どちらさんでしょう?」


「警察ですが…。」


「あ〜、母さん!いますぐに来ると思うので。」

『あっ、はい。』



ほどなくして典子が玄関に来た。


「どうも、昨日はごめんなさいね。」


『いえ…、早速ですが指紋の採取いいですか?』

「えぇ、どうぞ。」


夏希は道具を取り出し作業を始める。作業中、奥から異様な雰囲気でこちらをみる彼に2人は気づいていた。




『ありがとうございます。』

「いいえ、はやく犯人が見つかるといいですね…。」


「全力で捜しています、所で井ノ田さんには女性がいたと聞きましたがその女性が誰か知っていますか?」


「あ…!?いえ…。」



ちらっと後ろを見た母に息子は首を振る。


「そろそろお稽古が始まりますから、母さん!」

「そうですか、貴重なお時間ありがとうございました。」



名前も剛に合わせてありがとうございますと頭をさげ、後にした。



『あの人、作業中すごい顔してなかった?』


「あぁ、お前も気づいたか。まるで何かを隠しているようだったが…。」




調べてみようと父は言い、名前は照合の為に暑に戻る。
その事で新しい事がわかった。


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