※【腐】マギ
※紅明と白龍
「白龍、明日の大使への親書を届ける一行に同行してもらえませんか」
世界が平和になりつつある中で、己を律し、後悔し、再び混乱が来たときにはと、鍛錬を組んでいた白龍に軍師としている紅明はそう告げた。
「本来なら、紅玉が向かうのですがね。紅玉には荷が重い相手なのです」
どうやら、何かあった相手らしい。うなずき、了承の意を取ると、白龍は支度に取り掛かった。
翌朝、不在の間の姉の事を頼むと頭を下げ、白龍は船に乗り込んだ。親書を携え向かった先で領主からは歓迎を受けた。
「ようこそいらっしゃいました。歓迎の宴を用意しましたので白龍殿もどうぞ」
「格別のご配慮、感謝致します」
白龍は、歓迎の席で目の前にある果実を口にし、出された酒を儀礼程度にし、早々に引き上げ寝具に体を横たえて異変に気付いた。酷く身体が暑いと思い、目を開け溜息を吐いた。盛られたと思ったが、この程度ならばと自制し無事に日程を終えて帰路に着いたのである。真逆男である己が標的にされるとは予想外であったが、熱が収まるのを待つしかないと、報告を終え、白龍は自室に向かっていた。
「疲れた…」
紅明はこの日、久方ぶりの休暇を取り、自室に向かっていた。その前方をよろよろと覚束無い足取りで歩く白龍に紅明は気付いた。無理を言って行かせたので疲労したのだろうか。良心が痛み、あとで差し入れでも入れようかと考える。丁度、紅明の自室は白龍の部屋を通過した先だ。様子も伺おう。そう考えながら足を運んだ。
【まずいな…】
自室に何とか戻った白龍は下半身の状態に溜息を吐いた。自慰をして収まるものではない。かと言って女官に頼むなんて出来ない。己は、情けで置いてもらっている武人だ。痛みによる感覚で意識を逸らそう、と机に置いてあった小刀を手に取り、振り下ろそうと力を込めた。
「…っ、ぅ」
そろり、と様子を伺うように白龍の部屋を覗き込むと彼は手に小刀を持っていてそれを振り下ろそうとしていた。慌てて部屋に入り、それを叩き落とした。
「…よもや、同性にそれはしないだろうと思っていましたが、」
其処には息を荒くし発情したかの様な白龍の姿があった。こうなった原因の1つには自分も関係している。す、と下穿を寛げてやると制止の声が聞こえる。
「私にもこうなった原因の1つでしょうから。手伝いましょう」
「んっ、ァ」
くちくちと、手で扱いてやればあっという間に絶頂を迎えたが、それが衰える事はない。顔を背ける白龍は酷く艶めいて見える。別に同性間恋愛に偏見はない。更に、熱を放出させるため、紅明は手に力を込めたのであった。
熱に浮かされた瞳に欲を与えようとして
end
←