※ug様リク金太郎と財前キスする話
※捏造
※財前と金太郎
※恋人設定
小学生の頃から顔馴染みで、なんやかんやと騒がしく騒ぎを起こす彼を面倒見てやっている内に芽生えてきたのは庇護欲の様なペットを守るそんな可愛らしいもんじゃなくて、本来なら可愛い女子に抱くだろう感情だった。抱きしめたい、撫でたい、触りたい、キスしてみたい。色んな事を知りたくなった。そう思うと人間必然的にその相手の側に行ってしまう訳で。自分が卒業する、その時に遂には我慢なんて出来なくてとうとう告げてしまった。「俺、金太郎の事好きやねん。」
「おう!わいも大好きやで!財前いつもわいの事守ってくれとってめっちゃ嬉しかったで!」
にこにこ、春先なのに金太郎の笑顔はまるで常夏みたいにギラキラとしている。けど、残念ながらその好きはお前の考えているそれとは違う。
「ちゃうねん。金太郎」
「?何が?」
「お前の好きやねんと俺の好きやねんは種類が違うんや。」
「どうゆう、意味…ン!?」
まるで雛鳥みたいに近づいて来る金太郎の肩を掴んで、唇を重ねて息を吸い込むみたいにキスをした。これで、嫌われるな、と思っていれば彼はあっけらかんとした顔で同じや!と叫んだ。
「は…」
「わいも、チューとかしたいっちゅー方の好きやねん」
「そか、それじゃ、付き合ってくれるか、金太郎」
「おう!光!」
にっこり笑う恋人に優しくキスを落としたのが2年ほど前の話だ。そして、目の前の少年は、楽しくテニスをしている。アレ以来、キスをしていない。元来金太郎はそういった雰囲気にさせない位の元気良さがあるのと、この部の雰囲気もそれを助長している。勿論、メンバーのいる前でしたいんやけどなんて、言ってる訳でもないのだが、敏い部長や、ふらふらしているようで、見ている千歳先輩も知っているのだろう。
「…金太郎、今日ちょっとうち来へん?」
帰り際、着替え中の金太郎にそう聞けば、ええで!と元気に返される。本当に恋人してるという認識がないのかもしれないと、微かな不安がよぎった。
+++
計画してても、金太郎相手では多分というか確実に計画通りに動かないという自信はあるので、取り敢えず新しく買ったゲームをしようと誘った。
「久しぶりやな、光の部屋!」
「そうやろな、やって金太郎全然来ないんやし。最近は越前ばっかに構ってばっかや。」
「何や、寂しかったんか?」
「おん、寂しかった。それに、ハグとか最近しないし、させてくれないし、金太郎、お前恋人っていう認識あるんか?」
そう言いながら菓子を机に置いてゲームのセットを用意する。すると、どしりと衝撃が来てふり向こうとすると、抱き着かれた。久しぶりの感触に身体が熱くなる。
「分かってる。けどな、光とそうゆう事したいって言ったら軽すぎかなて、思ったら言いにくくなってて…ごめん」
「誰に言われたんか知らんけど、別に俺は構へん。…金太郎、キスしようや」
そう言って身体を対面させて腕の中にいる金太郎にそっと言えば髪の毛に負けない位茹で蛸みたいになった金太郎が顔上げてこくりと頷いた。軽すぎなんて言ったんは多分部長やろうなと、思いながらぎゅうと抱きしめて唇を重ねて啄むようにキスを重ねる。
「ん、ふ…っ」
「ん、」
少しばかりの間恋人の唇の感触を味わい、離せば顔を真っ赤にした彼がぽつりと光の顔、エロいと呟く。
「それは煽ってんのか?けど、金太郎もエロいで?今すぐ食べたいくらいや。」
けど、まだ互いに中学生だ。そんなに、急いで後悔したくない。ゆっくりでいいと思っている。それはきっと金太郎もで、それはちょっと先やと言っている。
「その先を楽しみにしてるで。取り敢えずこれからはキス強請ってや。」
そう言えば照れ臭そうに頷いた金太郎が唇を重ねて来てぎゅうと抱きしめて笑いあったのであった。
久しぶりの、君との、
end
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