※いぬぼく
※腐向け
※反ノ塚と渡狸
最初はただの、館の同居人でしかなかった。やる気がない自分には他の人間は大きな問題はないのだ。それなのに、気付けば彼の姿を追っているなんてどうかしている。その所為で、知りたくない情報も知る羽目になった。不良だ不良だと言う彼は実際の能力を見れば弱い。けれど、それに気付かずあるいは気づいて居ながらか、立ち向かって行く。それに苛つきを感じて居た奴等が懲らしめるのだと下卑びた笑いをしていた。彼が不良と称した行為でしょっちゅう怪我をしていたのは当たり前の事だから今回もそんなに大事ではないだろうとは思いつつもやはり何か不安なものがあった。
「渡狸ー、」
「んだよ、俺は今忙しいんだ!」
「ふふ、渡狸は今宿題中なんだよねー」
取り敢えず言うだけ言えばこの変な感じも解消されるだろうと思ったのだ。
「…ふーん。…じゃあ、此れ読んでおいて。」
終わるまで待つのも面倒だ。適当な紙にさらさらと書いて渡すと後で読むからと言う返事に部屋を出た。根が真面目なのに何故不良だなんだと暴れるのか。そのままでいても誰も卑下したりはしないのに。けれど、それが気になるのはやはりあのツンデレの世話をしていた名残なのかもしれない。いい加減やる気の無い自分はそういうことをしないでいたいのに、性分とは恐ろしい。
「ちょっと、何いつも以上にぼんやりしてるわけ?あんたもさっさと宿題やんなさいよ」
ほら、と差し出されたのは何故か鞄に入れていた筈のノートと教科書だ。勿論、やる気はないのでただ突っ込んで来ただけのものだ。それが何故、彼女の手にある。
「のばら姉さん、なんでそれ持ってるわけー?」
「そんなの決まってるじゃない。さっき凛々蝶ちゃんに宿題をやらせないのかって言われたからよ!メニアック!」
「もーわけわかんない」
結局その日は彼女に終わるまで解放されずに一日が終わった。その数週間後の事だ。彼が襲われているのを目撃したのは。
放課後、さっさと帰ろうとした時。裏路地で見覚えのある髪の色を見た。あれは、渡狸の、と思った時にはその集団に声を掛けていた。この時ばかりは自分が恐れられていたのは幸運だった。
「何してんの」
「ひっ…、ち、覚えてろ!」
まるで三流の文句の様だと思いながら倒れている彼を抱き起こす。遠目には倒されていて怪我していたのかと思ったが、予想よりは怪我は少ない。
「ん、反ノ塚…?」
「大丈夫かー?」
触れると息を吐き出す。熱でもあるのかと思う程の。
「薬、盛られて…苦しいんだよ…!」
だから、見るなと言う彼の項が赤く染め上げられている。それを見てあぁマズイと思った。媚薬を盛られているこいつはいつもよりも敏感で。妖艶なのだ。気付けばそこらのホテルに連行して、ベッドに彼を転がしていた。
「犬に噛まれたと思えよ、俺の不注意だから、」
ごめん、と言う彼は自分が世話焼きの一環でこれをしているのだと思っている。知らないのだ、彼は。彼を想っている自分のこと。だから、ちゅ、と可愛らしい音を立ててキスをして。
「役得だぜ。俺としては。だから、俺は覚えてるから」
そう告げて、首筋にキスをして、案外きめ細か肌を舐めて華を散らしていく。
「なん、んっ、ふ、ぅ…!」
限界だったのか、涙がぽろぽろとこぼれ出して行く。其れすらも綺麗だと思う自分はやはり彼に惚れているのだ。
「泣くなよー」
ぺろりと、その涙を舐めとってベルトを外してやれば窮屈そうにしているそれが飛び出してくる。そこまで薬を使われたのに、我慢している姿は何とも言えない何かがあってただ抱き締めたくなる。
そっと指で触れれば、そこはどろどろに溶け切っていた。どんな薬なんだか威力は強い。取り敢えず、と手で扱いてやる。思った以上に嫌悪感を抱かない。
「ひぁ、あん、ァッ、く…っ」
「ッ」
どろりと手にかかったもの。そしてまだ元気なそれ。やはり無理かと納得して彼をうつ伏せにさせる。薬の力でいつも以上に力が出ないらしい。
「後ろからの方が負担が少ないだろ」
「なん、ぁ、ア!っ、いた、」
どろどろに溶け切っていたとしてもやはり排出器官にそんなものはすんなりとは入る筈もなく、渡狸は悲鳴を上げた。けれど、中は女みたいにうねる。最近抜いていなかったのもあって、ガツガツと抽出を繰り返す。
「好き、だ」
悲鳴を上げる彼にそう告げて、あとはただ只管彼の中で快楽を貪り尽くした。
役得な役目で告白
END
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