※すんげえパロ
※h/e/l/l/s/i/n/g/の設定一部借用してます。偉大な漫画にすみません。
※火神→黄瀬
※赤司=黄瀬の主的…な感じ
※捏造
※黒子=一般人
夜がやってくる。夜は俺たちの時間だ。夜は俺たちの姿をただのそこら辺に屯している高校生から夜の生き物へと変える。体の中が騒ぐ。細胞が活発に動く。それは、バスケをしているかのような。バスケと出会ったのは少し前だが、夜の生き物であるのはもう大分前の話だ。戦闘機が外にあってもおかしくない戦争時代から自分は存在していた。それこそ、蝙蝠へと変化し霧へと姿を変えて時代を渡り歩いて来たのだ。
「…火神くん、もう遅いんですからバスケなんてしないように。じゃあお疲れさまです。」
「俺は其処まで馬鹿じゃねぇ!」
黒子の姿を見送り、ゆったりとした動きで家路の道を歩く。あいつの家で話を聞いていたら予想以上に遅くなってしまった。キセキの世代の話はそれ以上に興味を惹かれたのだから仕方ない。ふと、周囲を見て何かが視界に映り込んだ。それは夜に似つかわしく無い黄色の、髪。はっと足を止めると其処にいたのは黄瀬と今日写真を見せられた赤司がいた。ぞわりとした。それは、赤司と言う青年は常ならざる姿をしていた。身体の大半が暗い霧に包まれていた。口元からは鋭い牙が覗いている。暗闇の中ならばと思ったのか、その状況は当人にしか分からないだろうけれど。まさか自分と同じ存在がいるとは。呆然としていると視線に気付いた奴はにっこり笑って口元に人差し指を立てた。秘密、と口が動いた。では、黄瀬は、と見ると彼はぐったりと赤司にもたれかかって居てこちらからは様子を伺う事は出来なかった。その事実を知るのは、奴と偶然にも街で会った時だった。それは偶然だ。必然でもなく。
「黄瀬君、また女の子を取っ替え引っ換えしてるんですか。」
「えー、そんな事無いッスよ!」
「首筋のそれ、目立ってます…これだからモデルっていうのは…」
そう会話していた二人のうちの黄瀬の首筋にあるのは、赤い、二つの痕。それは正しく噛み付いたのではないかという牙の痕がありありと残っていた。一般人からしたらそれは所謂キスマークだ。けれど、見て直ぐに分かった。それは、マークなんかじゃない。あの日の二人が甦る。二人は、あの日彼処で何をしていた?これは、カモフラージュで誤魔化してはいるけれど、まさかとみる。古くから続くその一族が認めた相手からの行為により、眷族となる、それは。
「ーあ、火神っち後で話したいんスけどいいッスか?」
「…ああ」
「珍しいですね。黄瀬くんが…」
「たまにはね。でも本命は…黒子っちッスよ!」
「はぁ、そうですか」
巫山戯ている黄瀬の首筋から香るそれはつい最近のものだろうか。牙の痕がしっかり見えていた。黒子を見送って、黄瀬はにっこり笑った。その笑みは今までのそれとは違う。
「…話は?」
「もう分かってるだろう、火神君。こうして話すのははじめましてだな」
第三者の声ではっとすると其処には赤い髪の青年がいた。そうだ赤司だ。何故奴が此処にいるのだ。彼は君は僕と同族だろうから分かるだろう。そう笑った。
「…黄瀬は、」
「勿論、俺が選んだんスよ。赤司っちと永遠を過ごすこと。他のキセキを見送ること。」
「まぁ、黄瀬は何分入り立てで新米だからね。君にサポートを頼もうと思ったんだ」
そう言って赤司は白い筋の首にそっとキスを落とした。けれど其の目は告げている。不用意に彼の周りに寄る事を禁止している。
「ーああ、分かった」
そうして、黄瀬と赤司と自分の奇妙な関係が始まったのだった。
手を伸ばしても届かない
END
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