※腐テニス
※5000hit御礼リクエスト
※幸村と金太郎
※捏造
※色々抜けてます、上手く入れませんでした…
初めて対戦した時に抱いた想いははっきり言ってどうでもいい感情だった。だって、越前リョーマが記憶を、その技を繰り出す為の時間稼ぎのためのいわば歩兵だったのだから。けれど、それでも五感を失いそうになりながらも、それでもライバルの為と、そのコートに立ち続けた彼の精神力、越前を信じるその絆が珍しく映ったのも確かだった。それに、負けた相手とは普通ならば出来るだけ接触しないようにしているだろうに(普通の打ち合いならいざ知らず、競技を続けるのさえおっくうになるような感覚が選手を包み込むのだから相当なトラウマがある筈だ)、彼はそれでも珍しかったらしくあの技どうやるん?ワイにも出来るか?などと聞いてくる者だから。
「ああ、僕らしくもなく絆されてるのかもしれないな」
「幸村、どうかしたか」
「ああ、何でも無いよ。真田、朝のトレーニングに行かないとかな」
「む、そうだな。」
合宿では朝はトレーニングを行う。それこそ、殺人的メニューだ。最初こそ脱落者のいない間はかなりの時間をそれに費やした物だが、彼らもそれに似たトレーニングを行って来たらしく思ったよりも差は開いていないのが実情だった。
「あー、よく寝たわ!」
「あんた、五月蝿いんだけど。朝からよくそんなテンションでいられるよね」
「そーゆー越前かて起きてから寝るまでよーそんな大人しゅうしてられるな」
「俺はいいの。これが普通だから」
「ふぅん…つまらんなぁ。なんや光みたいにブログが趣味やないやろ?」
合宿所のコートにはもう既に何人かが集まっていた。コーチ陣が来ないために少々のお話時間となっているらしく、彼はライバルの越前と話している。その側には彼の出身校である部員もいる。
にこにこと笑う、その笑みがいいなぁと思う。妹とは違った笑みの種類に頬の筋肉が緩むのを感じる。(殆ど微量だからきっと部員には分からないだろうけど)
「ねぇ、坊や。僕と一緒にしないかい、今日のトレーニング」
「「!?」」
吃驚したらしく彼は身体をびくりとさせるけれど、でもそれでも彼はにこりと笑って脅かすんやのうてちゃんと声かけてや、と苦笑いしながらもええで、と微笑んでくれる。
「幸村部長…」
「ん、何だい」
「そいつに何したか忘れてるわけないッスよね」
暗に彼に怖い思いをさせた事を静かながらも怒っているのだろう。ああ、分かってるよ。そう言えば他に何をしようもなかったらしくならいいっすけど、と離れて桃城と組むらしくスタスタと歩いて行った。
コーチ陣が現れてトレーニングが始まる。一人でやるにも、側にいて彼の様子を伺いながらやるのは面白い。彼はくるくると表情が変化する。小さな子みたいだ(実際そうだけど)。けれど、トレーニングの最中も、テニスの時の表情はぞくぞくする狂気の様なものが潜んでいる。
それを引っ張り出せるなら、もう一度くらい彼と試合をしたいなぁと思いながら彼の組み手運動をした。ふわりと、甘い光の匂いがした。
じっくりゆっくり
「千歳、離せ!あれじゃ幸村に俺の金ちゃんが怪我されてまう!!!」
「…離したら大変な事になるの分かってて離すんはおらんばい」
「っすわ。今の部長、変態ですから」
「おお、財前珍しく意見が合ったな。今は離れて見守るべきやっちゅー話やで」
END
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