※無我マニアとゴンタクレ
※NOTリク
※ちょっと微裏
※数年後設定(捏造)
※金太郎=プロのテニスプレイヤー
※千歳=一般の社会人(ジムのトレーナー)
※50,000hit御礼
彼からの連絡はいつだって唐突だ。眠い目を擦って画面を覗き込めばそれはにぎやかな文字と絵文字で装飾されたものが並んでいる。女の子みたいなメールじゃないかと思ってしまった。けれど、それが彼らしいとさえ思う。
「でも、メール送るのはもうちっと遅い方が俺としては良かったばい…」
はぁと時計を見ればそれは深夜の三時を指していてそんな時間に起きている彼の体力を呆れる反面、けしからんとさえ思う。これは今の職業柄だろうか。その文字を見ながらぽちぽちと指を押して、ぱたんと布団に埋もれる。返そうとしたがやっぱり眠い。そのまま、すやすやと眠りの世界へ引き込まれて行った。
【今度、そっち行くで!久しぶりにオフになったんや、千歳も一緒に遊ぼうな^^】
その今度がその数時間後に訪れるなんて、彼の性格はやはりゴンタクレのままだったのだと思いしったのは数時間後、日曜日にしては早めの起床時間7時だった。
「起きてや!千歳っ」
「…ん…?金ちゃん何でそんなとこばおるん?」
目が覚めて重みにまさか金縛りかなにかと目を開ければ赤い髪が視界を占めた。そして懐かしい声音。夢でも見てるのか。恋人の彼が恋しくてついに夢にまで見るのかと思っていると彼がぎゅうと抱きついて来る。この温もりは偽物ではない。はっとして側に置いてある携帯を掴んで引き寄せる(最近昔の携帯が壊れてしまったので最新式の指でぽちぽちするスマホである)。其処には新たにメールが来ている事が知らされていてそれを開くと其処には
【あと数分で到着するで!】との文字が。
「金ちゃん、今度って今日だったん?」
「おん!思い立ったら吉日ゆーやんか」
それに、わいのオフと千歳の休みが重なるなんてあんまないやんか。これを逃したら千歳気使うやろと言う彼に彼も少し気遣いがあるのだと(ちょっと失礼だったが)思う。それでも、あのメールを寄越した時間に眉を寄せる。
「金ちゃん。」
「ん?」
「重たか。ちょっとそこに座りなっせ。話があるったい」
いつまでも重たい彼の身体を避けてもらい布団から足を出してあぐらをかきながら彼と向き合う。きょとんとした彼にああやっぱり気づいていないのだと理解。そしてメールを開く。それは昨日(というか今日)届いたメールだ。
「ん?それわいが送った奴やろ?何か変やったか」
「変じゃなかとよ。絵文字もにぎやかなのは金ちゃんらしい」
「あーおおきに?」
「けど、このメール一体何時に来たと思う?」
最新の事を好む彼だが、彼が機械を理解してあれやこれやと駆使しているかというとそうでもない。だからこれは打ったものをそのまま送信したのだろう。ひくりと何かを察知したらしい彼が後ずさる。残念、そこはもう壁だ。
「あれー?」
「夜中の三時。金ちゃん、選手ならそんな時間に起きてるんはよくなかとよ」
しょぼんと頭をさげておん、すまんと言う彼にふっと笑ってやるとほわっと笑う。けど、絶対またやらかすだろう。ぐいと彼を引っ張って押し倒す。ぼすんと布団が跳ね上がる。(あ、座らせた場所がまずか)
「理解するまで、身体にみっちり教えてあげるから覚悟、するばい?」
「や、千歳っ、ん…ふぁ、あ」
甘い声を出して逃げるそれはまるで誘ってるかのようで、するりと服の裾から手を差し込んでなで上げると、未だに子供体温なのか、騒いだからなのか分からないが少し体温の高い肌がしっとりとして温度を伝えて来る。
「金ちゃん、好いとうよ…」
ずぐりと中で愛を囁いて、愛を吐き出した。
(その後で彼がやってそうやれば千歳がわいをだいてくれるかもしれんからやったんやでという彼に熱が上がって再び彼を押し倒した)
なんどもなんども愛をささやいて
END
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