※仁王と金太郎
※捏造あり
※恋人だよ!
※ちょっと致してる的な。
ウォンバイ、遠山という声がしてほっと胸を撫で下ろす。見つめる先には勝利にぴょんぴょんと飛び跳ねている彼がいた。そして、彼はブンブンと両腕を振り、嬉しそうに笑う。
「本当に元気な奴じゃのう」
「おう、仁王なにしてんだ?」
そこには、同じ部員であるジャッカルがいた。ブラジルの血を持つ彼の肉体はやはり日本人の自分からすると叶わない部分があるが、何故か彼は器用貧乏の性質があるらしく、ブン太からよく言われて色々やっているのをしっている。
「遠山の試合を見とったんじゃ。あいつの試合は面白いぜよ」
詐欺師としてもレパートリーを増やす良い機会かという面もあり見ていたのだが、彼は溜息を着きながらも遠山、愛されてるなと呟きその場を離れて行った。
たったった、と軽い駆け足が聞こえてくる。彼は上機嫌だ。そっと、彼が進む瞬間、横から出てやった。すると、うわぁ、と少し間抜けな声を出して尻餅をつく。
「なん、…って、あれ、仁王やんか」
どないしたん、と聞いて来る彼にいや、何もないぜよ、と言えば彼は疑わずなぁなぁ、わい、勝ったで!と喜色満面で伝えて来る。彼を立ち上がらせるフリをして周囲を確認して、手を引っ張って歩き出す。
「仁王?何処行くん?」
「何処て、別に決まってないき、此処でもええじゃろ」
ぴたりと立ち止まり、使われていない倉庫へ入る。倉庫は、ボールの新品くさい匂いやらゴムの匂いやらがしていてお世辞にも清涼感があるとは言い難かった。
「なぁ、金太郎」
普段は言わない、彼の下の名前を呼んでやれば彼は何を意味するのか大凡理解するようになったのは、つい最近だ。
「な、ん?」
「おまんと、わし、恋人じゃろ?」
「そ、やで」
顔まで髪の毛みたいに赤くなった彼に加虐心がむくりと起き上がるも、彼が泣くのは見たくない。
「おまんは、この勝負のために猛特訓した。わしも協力した」
言いながら、彼の弱い首筋をつぅとなぞる。びくりとしたそれは、まるで今から裁かれるまな板の鯉そのものか。
「お、ぅ…」
「勝負の間、一切の接触は禁止っちゅー無理難題ぜよ。もう、大丈夫じゃろ?」
にやりと笑ってびくりとした彼の首筋にじゅるりと舐めると大袈裟な程にびくつく。それが正しく美味しそうな餌に見えて堪らない。
「なぁ、もう、いいじゃろ?」
ツゥ、と彼の脇腹に手を差し込んで腰を撫でればとろとろに溶けた彼の顔が見える。こんな顔はあの彼の中学の部長ですら知らない顔だ。
「それなりに、性欲があるんでのぅ。」
「あ、う、えー、あの、その、手加減してくれる?」
下から見上げるアングルも中々のものだなと思いながら彼の唇に重ねると彼は、顔を赤く染め上げる。
「善処は、するかもしれん」
部屋の片隅に置かれていたマット。何かのトレーニングか、使われた形跡はない。其処にどさりと彼を組み敷いて首筋にしゃぶりつく。じゅる、という音がそのもののような音だ。彼が、その顔に似合わず関係が露呈するのを嫌う為に殆どしないマーキングを、そっとしてやる。髪の毛に隠れる範囲だから大丈夫だろうと、慣れたように服を脱がし、胸の飾りを摘まんだり擦ったりしてやれば、も、ええからぁ、とどこかのAVの誘い文句の様な言葉を投げかけて来る。
ぐいと、指を押し込んでどろどろに溶かす。いつも持ち歩いているわけでは無い道具はないためだ。本来の器官はそうする事には向いていない。自身は、天を仰ぎ、硬くなっている。
「もう大丈夫じゃろ…金太郎、挿れるから、力抜いておきんしゃい」
そう言ってふっと肩の力を抜いた瞬間を見計らって入る。中はぎちぎちと締め付けて来て直ぐにでもブチまけてしまいそうだった、が。久しぶりな所為か苦しそうな顔をする。ゆるゆると動かしてやると少しだけ中が緩む。ちゅ、とキスをしてやれば嬉しそうにすり寄って来るものだから、我慢していたのが溢れ出してしまう。喉が天を仰ぐ勢いで反らされる。中は気持ちいい。悲鳴の様な声は次第に艶を帯びた喘ぎになり、ますます止まらなくさせるのだから堪らない。結合部から嫌らしい水音が響く。聞こえているのを、実感させてやると彼はいつも締め上げてくる。その様子が好きではあるのだが、今回は我慢が効かない。ずくずくと彼の中を形や温度感触を馴染ませる様に突き上げる。
「は、っぁ、あ」
「や、出てかんでええから、あっ」
この恋人の前ではとうに我慢など消えていたのだと、彼の中にどくどくと注ぎながら理解した。いつだって彼のリアクションを見ながら数歩先で見て笑っている、そんなつもりでいても結局は彼の動きに自分が動かされていると言っても過言ではないのだ。
本当はずっと触れていたいと言った彼の顔は赤く
END
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