(鳥土)

歩き始めた時に目の前に、隣に立っていたはずなのに
気づいたらすぐ1歩先を行く
捕まえた筈の指先は直ぐにすり抜けて遠くに行ってしまう
名前を呼べばにっこりと笑うんだ
「何やってんだよ、大鳥さん」って

… っていう 夢を みたんだ。


「…そうか」
椅子に座ってにこりと笑いながら夢の話をすると、土方君は呆れた顔をする。
眉間に寄せられた皺、つい気になって彼の顔を覗き込みに立ち上がった。
「君ってさ、眉間の皺… それって何だ似合わないよ」
「どういう意味だよ」
「不細工」
彼のきれいな顔の眉間の皺をなぞる。
不細工とはなんだと吐き捨てるように呟いた彼が何処か拗ねたようで思わず笑った。
彼の紫色の瞳はきれい。
すっと細められた時に射る様に厳しくなるその瞳がきれいで、好きだ。
「大鳥さん?」
「土方君ってさ、きれいだよね」
「は?」
「ほらまた、眉間の皺」
彼の眉間に刻まれた皺。笑顔になってくれればきっと、可愛いだろうに。
元が役者の様な外見をしているから「きっと」だなんていう希望観測なしに「可愛い」と断言できるだろう。
ただ、僕は見たことがないからまだ「きっと」。
暖かな部屋の中で書類を読む彼の背中を京時代からの小姓である少女がじっと見つめていた。
(あの子なら、見たことあるのかな、)(彼の、笑顔)
京時代は楽しかったと聞く。
たとえ、蝦夷へきて母の様だといわれていても実質の所、僕に対しては厳しいままだった。
「ねえ、雪村くん」
「はい」
「土方君ってきれいだよね?」
そういえば何処か戸惑ったようにこくん、と頷いた。
あ、またほら、一段と皺がよる。
「大鳥さん…」
「はい」
「あんた、何なんだよ。何でそんな俺の顔を見てんだ」
「いやぁ、きれいだなって」
「どうしてそうなったんだって事を」
「好きだからじゃない?」
ぴたり、と雪村くんの動きが止まる。お邪魔ですよね、と顔を赤くして慌てたように走り去った雪村くんの後姿を見つめながら、小さく笑った。
「僕が、君を」
「戯れ事を」
「好きだよ、何回でも言う、馬鹿にしてもいいさ」
「バカだな」
「ああ、バカだから、」
笑っておくれという言葉は飲み込んだ。

(なんだ、ちゃんとそんな顔できるんじゃないか)

僕が笑うよりもずっと
(君が笑ったほうが幸せになるだろう?)


*
意味分からなくなって申し訳ない\(^o^)/
鳥歳布教がしたくて書きました。
素敵な作品たちの中でどべんと鳥歳をだすという具合。
申し訳ないです…。
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