赤司は「僕」でキセキは名前呼び。
三年になったりして変わってみたかったんじゃないのかと想像。
原作で言い変わる時期が出たら直そうかと思います。


赤司征十郎企画


珍しくキセキの世代が揃った帝光中学更衣室。
赤司に呼ばれたからか練習に出ていなかった青峰もそこにはいた。

「この頃、テツヤは拗ねてると思わないか?」
「青峰のせいだろうな」
「青峰っちのせいっスね」
「峰ちんが原因だね〜」

集中砲火を食らった青峰は一人、ツンと横を向く。

「拗ねているでは済まないのだよ、アレは」
「チームワークとかなくても何とかなるっスけどね」
「仲良きことは美しきということで、提案だ」
「あぁ?」
「テツヤのこと犯したい人は手を挙げてね」

赤司はロッカーの傍らの物置のようなものから布を取り去る。
そこには全裸で縛られた状態の黒子がいた。
目隠しされて大きなヘッドホンをつけて手と足をひとまとめに縄で縛られているせいで局部が丸出しになっている。

「ちょ、ちょちょ! ちょっと、赤司っちぃぃ」
「ドン引きなのだよ。何を考えている」
「テツ……大丈夫なのか」
「うお〜、ムラムラするかも」

紫原が黒子に触ろと手を伸ばす。
青峰と黄瀬が左右から止めに入った。

「見事なディフェンスだ」
「そういうことじゃないのだよ。お前は何をしている」
「テツ、やべーんじゃねえの? 病気か?」
「…………なんか、クスリ盛った? 黒子っちの様子、明らかにおかしいんスけど」
「プロテインだと称して神経が敏感になる薬を少々」
「何してんだよッ!!」
「仲良し計画というヤツだよ。お肌の触れ合い会話でみんなのわだかまりも消えるだろ」
「仲良しごっこなんかいらねー」
「大輝は人の話を聞かないな。これは『ごっこ』ではなくテツヤを介して仲の良さを深めるという完璧な計画」
「黒子っちは犠牲になったのだ」

遠い目をする黄瀬を緑間は叱りつける。

「何を諦めている!!! 赤司、やって良いことと悪いことが」
「黒ちんはみんなと仲良くするのが好きだからいいんじゃな〜い」
「良いわけあるか!」
「真太郎はテツヤを抱きたくないと、そういうことを言うのか?」
「オレは黒子っちを抱きたいっス。そりゃあ抱きたいっスよ。でも、こんなのは違うっスよぉ」
「涼太はいちいち煩い」
「オレ達が犯さねえとテツを解放しねえつもりか?」
「これから毎日の話になるんだが?」
「マジで?!」
「黄瀬、喜んでんじゃねぇ!!」

青峰は黄瀬の背中を蹴り飛ばす。
怒っている青峰とは対照的に黄瀬の表情は緩んでいた。

「紫原ッ! 何を勝手な事している!!」
「っ、ちゅ……だって、黒ちん物欲しそうにしてんじゃん」

そう言って紫原は黒子の唇を吸う。
混ざり合う唾液の音が聞こえる。
目の前で紫原と黒子の舌が絡まり合うのを見て黄瀬はロッカーに頭突きし始めた。

「うわーん!! オレの黒子っちがぁぁぁ」
「お前のじゃねえ!!」
「ええい! 紫原、やめろ」
「仲良しどころか阿鼻叫喚じゃないか。困ったね」
「赤司ぃ!」
「お前ふざけんなよ!」
「真太郎も大輝もそんなに怒るんじゃない。これはテツヤも望んだことだ」
「黒子っちが?」
「テツが、そんなたまかよ」
「赤司、お前が適当に言い包めたのは分かっているのだよ」
「その縄やこのシチュエーションもテツヤ自身が決めたことだ」
「嘘を吐くな! 黒子がそんなことを言うわけがないのだよ」

真っ向から赤司に食って掛かる緑間に黄瀬と青峰は不思議なものを見るような目になる。

「ちゃんと右か左かをテツヤが自分で決めたんだ」
「右か左っスか??」
「右ならボンテージ衣装だったがテツヤは左を選んだので全裸だ」
「それ、選択肢伏せて選ばせたっスよね?!」
「ラバー素材の目隠しにするかただの布にするかも黒子の意思だ」

黒子はアイマスクのような目隠しをしている。
涙の筋が汗に混じって見える。

「右か左かと言っているのに真ん中と言ったので、こういうことになった」
「詐欺師っスか!」
「選んでねえじゃねえかよ」
「場所も教室と屋上と更衣室からテツヤ自身が」
「騙し討ちなのだよ」
「僕を悪者扱いすることで三人の意識が一つになっていることは喜ばしいな」
「赤ちん、黒ちんに入れてもいい〜?」

ズボンを脱ぎだしている紫原に黄瀬は叫ぶ。
紫原の肩にしがみつき引き離そうとするが巨体は動かない。

「敦、このローションをたっぷり使うんだよ。最初は痛がって暴れ出すかもしれないが気にするな」
「いやいや!!!! マジ、洒落にならねえーから」
「黒ちんも早く入れてもらいたがってるよ〜」
「勘弁してやれ。赤司っ! 真面目に練習出るからテツを許してやってくれ」
「青峰っち!」
「これは流石に見過ごせないのだよ」
「テツヤはこっちの音も聞こえず、目隠しで見えもしない。つまり誰に犯されているのか分からない状態だ」
「そういう問題ではないのだよ」
「あえて言えば僕に触れられていると思ってるかもしれないけどね」

荒くなっている息の狭間で黒子が「あかしくん」と口にする。
それは五人の耳に届いた。
響く唾を飲み込む音。
誰のモノかもわからない。

「チーム一丸になってテツヤを犯す。テツヤも喜んでくれるに決まってるだろ」

そんな訳がないと反論を口にするべきだった。
紫原と口付けを交わす黒子は目隠しをしているせいもあるのか、
黒子には見えない。ただ性的な魅力を凝縮した肉人形。

「テツヤを抱きたいと思わないなら、これをテツヤだと思わなければいい」

黒子の手と足の縄を解くと赤司は黒子を仰向けに寝かせた。
最初に黒子にかかっていた布を下敷きにしている。
腿に赤司が触れれば黒子の全身が震えた。
布をぎゅっと握りこんでいる手をどう思うかはそれぞれ。
本当に拒むのならば手足が自由になった今、逃げ出せるはずだ。
黒子はそうはしない。

「犯したい人、手を挙げて」


2012/07/24
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -