帝光中学時代の赤黒+黄黒。
エロ直前ですがとりあえず18禁。
不感症なのに淫乱(敏感)とか夢の設定。いつか本にしたいです。


黒子テツヤは正常な判断力を失ったらしい






黒子が「ちょっといいですか」と黄瀬を呼び出したのはそろそろ冬と呼べる時期だった。
どうせ帰りに二人っきりになる気もしたのだが、わざわざ黒子が話があるというのは特別な気がして黄瀬の顔は知らずに緩む。
この頃は元気がない気がしていたが思い違いだったらしい。

「黄瀬君、明日空いてますか?」

明日は練習もなくオフ。
モデルの仕事が入っているが黒子と遊ぶのぐらい問題ない。
最近は誘っても断られることが多かったので黄瀬は嬉しくて平気だと即答する。

「夕方から撮影なんスけど」
「じゃあ、終わった後、……いいですか?」
「え? 夜になっちゃうけど」
「黄瀬君の都合が悪いなら無理にとは言いません」
「……一緒に夕飯食べたいんスか?」
「ちょっと話したいこと……、頼みたいことがあって」
「朝から会おうよ」
「いえ、お仕事に支障をきたしたら申し訳ないです」

黒子がこんな風に言うなんて相当の無理難題なのだろうか。
逆に黄瀬はわくわくしてきた。
黒子の力に出来るだけなってやりたいし、どんなことでも仕事に障るなどあるはずがないと黄瀬は思っていた。

「黒子っち、オレのこと舐めすぎっスよ」
「黄瀬君?」
「オレが黒子っちの頼み断るわけないし、夕方からの撮影に影響出るか出ないかはオレが決めるっスよ」

だから、いま言ってみてと黄瀬は黒子に告げる。

「ボクの頼み、聞いてくれるんですか?」
「当然っスよ」

黄瀬は胸を叩いて黒子に笑い掛ける。
黒子は自分で何でも処理してしまうところがあるので頼られたならどんな内容であろうとも黄瀬は叶えてやろうと思っている。

「で、どうしたいんスか? 黒子っちのことだからオレがOKすればいいことっスよね」
「はい、黄瀬君ならきっと簡単に出来ることです」

黒子の趣味は人間観察だという。
黄瀬が出来ない事を押し付けてくることはない。
黒子が黄瀬に出来ると思って頼ってくれたのだから期待には応えたい。

「いくつか確認する点はありますがボクの知り合いの中で黄瀬君が一番適任だと思いました」
「なんスか? もったいぶらずに教えて欲しいっス」
「黄瀬君はボクのことキライじゃないですよね?」

キョロキョロと周りを見渡して黒子は続ける。

「男と性交渉できますか?」

それは確かに人に聞かれたらマズイ内容だった。

「出来たら……やり方が分かってるようなら……助かるんですけれど」

小さな声で「今まで人に任せてたのでやり方わかりません」と聞こえた。
空耳だろ。あり得ない。黄瀬はどう反応すればいいのか分からないまま黒子から目が離せなくなった。

「正直、気持ち悪かったので目を閉じて歯を食いしばってやり過ごしてました。勉強不足で迷惑を掛けてすみません」
「あ、……えっと、あのさ、……黒子っち?」
「なんですか?」
「オレに頼んでるのって」
「ボクのこと抱いてくれませんか?」

頭の中で会話の流れはもちろん理解していた。
けれど、単語と単語が黄瀬の中を素通りして意味を持たなくなってきた。

「黄瀬君? やっぱり難しいですか?」
「……え、……あー、…………黒子っち、理由聞いていいっスか?」
「黄瀬君、平気そうな人だと思ってました」
「男が?」
「男女のべつ幕なしじゃないんですか?」
「黒子っちの中のオレのイメージって…………」

肩を落として落ち込めば「すみません。イヤでしたか……。困りました」と黒子は淡々と口にする。
冷静な態度に黄瀬は首を傾げたくなったが黒子が鞄から出したビデオカメラに驚く。
他校の視察用に使っている録画機材を一式持っているように見える。

「これで撮影しないといけないんです」
「……黒子っち」

真面目そうな黒子のあまりな発言に驚いたがもっと早く注意するべきだった。
黒子の表情は普通に見えて血の気が引いている。
足もわずかに震えていた。
ビデオカメラを持っている黒子の手に触れる。
ゾッとするほど冷たい。
血が通っていないのかと思うほどだ。

「赤司?」

呟けば黒子の肩は目に見えて跳ねた。

「赤司征十郎っスか?」

敬称をつける気にもならない。
何を考えているのか理解もしたくない。

「そんなの持ち出し許可できる人間なんか決まってるっスよね」
「…………黄瀬君」
「黒子っちを責めたりなんかしないっス。けど、分かんない」
「黄瀬君がダメなら……誰か、別の人を頼んでみます」
「誰にも言えないっスよね?」
「……男の人が平気な人も探せばたぶん居るはずです」
「オレは、男とかぶっちゃけ無理っスけど……黒子っちなら勃つと思う」
「お願いできますか?」
「ちゃんと理由を教えて欲しいっスよ」
「…………趣味です」
「男が好きなんスか?」
「キライです。気持ち悪い」

吐き捨てるような黒子に黄瀬は心臓が止まるかと思った。
存在を全否定されたようで怖い。

「……オレは」
「あ、すみません。黄瀬君やバスケ部のみんなは別です。男とかそういうんじゃなくて仲間です」

黒子の言い分は全く筋が通らない。嫌だと言いながら男に抱かれようとしている。
否定しないところからみて間違いなく赤司の指示だ。

「あの人、オレに頼めって言ったんスか?」
「赤司君はそんなこと言いません」
「黒子っちが勝手にやってるってことになってる?」
「やってみろと言われて乗ったのはボクです。赤司君は悪くありません」
「……なんで庇うんスか。おかしいの分かってるんスよね? なんで」
「いいです。黄瀬君がいやだと言うなら無理することないです」

黒子はビデオカメラを鞄にしまい、三脚など合わせて持ち上げる。
そのまま黒子が何処に行くのか考えて黄瀬は黒子を止めるしかない。

「今日、オレの家に来れるっスか? このまま」
「ウチは電話を入れれば問題ありません」
「オレの家、両親は来週まで帰ってこないっス」

踏み外してしまった気がしながら黄瀬は唾を飲み込む。
この段階ではまだ黒子を説得してやろうとしていることを撤回させるつもりだった。
黒子テツヤは黄瀬涼太にとってかけがえのない人間だった。
間違えに気付いているような黒子をそのままにしておけない。
まだ引き返せる。
そんなことを思って黄瀬は黒子を自分の家に連れて帰った。
自分の理性を甘く見ていたのだ。







※イベント開催中止で心が折れたりしたので以下はダイジェスト
 普通に書いて発行したかったけれど、とりあえず封印かな??





その後のメモメモ


「ねえ、黒子っち……。黒子っちの初めてオレが貰ったんスよね」
「黄瀬君、いえ……ボクは」
「今まで気持ちよくなかったって言ってたじゃん。オレとの以外はノーカウントっスよ」
「そういうものですか?」
「そーゆーもんだよ。黒子っちはオレと初めてしたんスよー」
「そうですか。……それは、少し楽になりました」
「昔のことは忘れちゃえばいいっスよ」
「ありがとうございます。今回は付き合わせてしまってすみませんでした」
「……黒子っち、あのさ」
「なんですか?」
「付き合わないっスか? オレ、絶対に黒子っちのこと大事にするよ」
「言いませんでしたか? ボクは赤司君と」
「そんなわけない!! 好きな相手に他の奴と寝ろなんていうわけないじゃないっスか!」
「でも」
「からかわれてるんスよ。黒子っち、アイツにバカにされてるッ!!」
「そんなことありません」
「あり得ないっスよ。自分以外に抱かれている恋人を見たいなんて」
「赤司君はそういう趣味なんです」

※違います。





「赤司君、はい。……遅くなってしまいましたけれど、誕生日には間に合いました」
「テツヤ?」
「おじさん相手じゃなくて同い年を相手にしているボクの姿を見たいって赤司君言っていたじゃないですか」
「…………はあ?」
「見てみてください。黄瀬君に意地悪されて最初のは消えたんですけど」
「テツヤ、ちょっとそこに座って」
「はい?」
「いつまで経っても誘いに来ないからおかしいとは思っていたけれど」
「誘い?」
「黄瀬と、涼太と……どうしたって?」
「え、だから……黄瀬君とセックスしてそれを録画してきました」
「テツヤ?」
「……やっぱり、遅かったですか? 本当は11月に渡せるようにするつもりだったんですけど、黄瀬君が撮るたびに消してやり直しに」
「何回した?」
「数えてないので……。黄瀬君に聞けば分かると思います。カレンダーに印しつけてました!」
「……テツヤ、涼太は僕に怒り狂っているだろね」
「死ねばいいのにが口癖になりつつあってダメですね」
「うん。僕もちょっと死にたくなった」
「赤司君? 大丈夫ですか?」

※黒子に中年をけしかけて嫌悪感を煽って自分は美味しく頂いて依存させる計画を横から掻っ攫われたと教えられる誕生日。
 赤司的に最悪と言わざるえない。


泥沼三角関係、赤黒&黄黒。
黄→黒かと思いきや肉体的な相性として赤→黒になっていたり。黄瀬頑張ったね。
回りくどいことした赤司の自業自得……。

「同い年って言ったら当然、僕のところに来ると思うだろ!!」
「知らないっスよ! 赤司っちのバカっ! 人でなし!!」
「バカはお前だ。テツヤが誘惑してきても跳ねつけろ」
「無理っス!! 無理っス!!!!」
「僕以外に触られると嫌がるようなテツヤにしたかったのに」
「黒子っち、ください」
「ふざけるな!」

和解(?)後はギャグ。



エロいことする時だけ赤司の一人称とか黒子への呼び方が変わるといいなーの設定でGOGO。


2012/12/21
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