欲求不満の黒子テツヤさんが赤司征十郎さんを困らせる話。何故にオレに相談したし。そんな気持ちになりながら対応してくれるキャプテンマジ優しい。下ネタ。

緑間君と○○をする方法を赤司君と考えた


黒子はスコアボードの記録を確認している赤司に近づき、そっと告げた。

「赤司君、緑間君とエッチするにはどうすればいいと思いますか?」
「……黒子、TPOを考えろ」
「周りには誰もいないと思って聞きに来ました」
「残念ながらそうでもない」

赤司が片眼を閉じながら溜め息を吐く。
黒子が後ろを見れば黄瀬がジッとこちらを見ていた。
首を傾げれば黄瀬が手を振ってくるので黒子も振り返した。
走ってこようとするので両手でバツを作って青峰を指差す。
肩を落とした黄瀬は後ろ髪を引かれるような動作の後、青峰の方へ走って行った。

「誰かいましたか?」
「慣れたな」
「コツさえ掴めば聞き分けが良い子は楽です」
「緑間に対してはコツが掴めないと?」
「さっぱりですね」
「……物理的押し倒したり」
「しました」
「押し倒され返したりはしなかったのか?」
「残念ながら」
「どの流れで押し倒した」

緑間の身体は大人と言って差し支えない。
隙をつくらないと黒子にはどうしようもなかった。

「睡眠薬を入れたお汁粉を飲ませました」
「本格的だな」
「緑間君が寝ている間にベッドに拘束して……恥ずかしかったので目隠しもしました」
「落ちは分かった。犯罪者だな」
「……強盗だと思われたらしく物凄い抵抗振りでベッドは壊れました」
「緑間、やるな。さすが人事を尽くす男」
「ボクは殺されるかと思いました」
「結局?」
「緑間君が手の拘束を解いた時点でクローゼットの中に逃げ込んで緑間君の怒りが落ち着くのを待っていました」
「怒ってはいなかっただろう」
「家探しをした後に部屋に戻ってきて発見されました」
「抱き締められたか?」
「なんで、分かるんですか?
 殴られることを覚悟して謝り倒したんですが『オマエが無事で良かったのだよ』と言われて、
 さすがに構えていたスタンガンを使う気にはなれませんでした」
「押し倒す対策は二段構えだったのか」
「その日は一日ぎゅっとしてもらえたのでなかなか満足しました」

新しいベッドを買おうと二人でカタログを見たりネットを見たりした。
緑間の腕の擦り切れた傷は痛々しかったが世話を焼けるのは楽しかった。
やってもらっているという意識があるせいか緑間の口癖のような小言はなりを潜めて、
代わりに後ろからぎゅっと抱きしめられることが多かった。

「緑間君が『黒子に何かしたら殺してやる』って言ってきて……ボクは嬉しいのか悲しいのか分かりません」
「ああ見えて緑間も熱い男だからな。七代ぐらい祟るだろう」
「眼鏡をとっているのでボクを殺してから気付くとかそういう展開になりそうで、あぁ、怖かったです」
「愛を実感できたのは良いとしてまるで関係は進まなかったんだな」
「予告なしにキスしても怒られなくなったぐらいです」
「前進しているじゃないか」
「ボクはエッチしたいんです」
「緑間に直接言ったか?」
「探りを入れたら婚前交渉はNGの気配です」
「婚約者になれば問題なくなるんじゃないのか」
「いえ『恋にうつつを抜かすなど学生の領分から外れているのだよ』と」
「堂々と自分を棚に上げだしたか」
「遠回しに別れを切り出されているのか悩みました」
「安心しろ、緑間にそのつもりはない」
「手詰まりです」

黒子の言葉を聞いて赤司は息を吐く。

「そうだな、まず浮気をする」
「赤司君とですか?」
「それでもいいか」
「はあ」
「あられもない黒子の姿を写真に撮って毎日緑間に送りつける」
「不幸の手紙作戦?」
「緑間も欲望をたぎらせるはずだ」
「それ本当に浮気しないで画像加工でいいですよね。黄瀬君出来そうです」
「実用性に富むものを作られたらそれはそれで困るだろう」
「実用性ですか?」
「緑間のことだから写真が本当なのかどうか黒子に問い質すだろう」
「それで『エッチしようぜ』と爽やかに言えばいいですね」
「サッカーしようぜのテンションで言われたら緑間は萎えるな」
「ダメじゃないですか」
「だから、緑間にはこう言えばいい」

赤司の口にした言葉はあまりに単純だった。
本当に効果があるのか疑わしい。
そう思ってみたものの手詰まりだったのは事実なので何かの糸口になればいいとそう思った。
緑間と一緒に帰りながら思い出したように黒子はさり気なく言った。

「緑間君、お願い聞いてもらえます?」
「…………なんなのだよ」

眼鏡を上げながら緑間が横目で黒子を見た。

「緑間君とエッチしないと赤司君に犯されていやらしい写真をばら撒かれることになるんで困ります」
「なっ」
「赤司君はやると言ったらやる人です」
「どどどどういうことなのだよっ」
「そのままです。今日、家に寄らせて貰っていいですか?」
「ウチの両親は今日は居ないが……」
「夕飯ゆでたまごなら作ります」
「それではさすがに栄養が偏るのだよ。……違うだろ」
「エッチしましょう」
「オマエは赤司に弱みでも握られているのか?」
「その通りです」
「なんだと」
「だからエッチしましょう」

キリっと黒子は真っ直ぐに緑間を見て告げる。
嘘を言っているようには見えないはずだ。
嘘など言っていないのだから当然だ。





「それで、上手くいったか?」
「いえ……不完全燃焼です。
 もう少し血沸き肉躍るバスケの練習にも出られないようなハードモードになると思ったのですが」
「イージーモードだったか」
「初心者用の手抜きです」
「それを見破られるなど緑間もまだまだだな」
「なんとか……もっと上手くいかないでしょうか」
「オレとしているのを見せつけるのが一番手っ取り早い」
「緑間君、潔癖な気がしますから煽られるより断ち切るような気がします。別れるのは嫌です」
「黄瀬に無理やりされたという状況証拠で挑むもうか」
「冤罪というのはこうして出来上がるのですね」

二人の悪巧みを横で聞いていた紫原は何も言うことなく、
緑間と黒子が付き合っている謎について考えた。
性格の不一致が面白いのだろうか。

2012/11/11
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