こんな本を出したいなとか思っても悶々としているのです……メモ。 ガチャガチャin青峰 変わったものは目を惹く。 黒子も年相応に奇妙なものにはつい手を出したくなる。 気まぐれは面白い。 大した値段でもなかったので黒子はそのカプセルを手に入れるために百円玉を入れて機械を回す。 ガチャっと回る音が少し懐かしい。 小学校に上がる前までは親にねだってよくやっていた。 カプセルトイ、ガチャガチャ、ガチャポン、いろいろな言い方があるが、 要はお金を入れてレバ―を捻ったらカプセルに入った何かが出てくる それはスライムだったりストラップだったり使えない玩具だったりと色々だ。 色々とあるのは黒子だって知っていた。 お金を入れる前に何が入っているのかも確認していたのだ。 それは疑問符だった。 中身が完全シークレット。 そんなものがあるものなのか。 黒子も聞いたことだけはある。 売れ残ったカプセルを集めて一つにしてしまう在庫処分方法。 いろいろなジャンルがごちゃ混ぜで本来は五百円するものすら百円のお値打ち価格での提供。 これを逃せば手に入らない。 ワゴンではないがワゴンセール。 黒子におたく趣味はなかったが日向が集めている武将のフィギュアはカプセルの中に入っていることもあるらしい。 お世話になっているので手に入ったら渡そうと思っていた。 ダブってしまったとしても嫌な顔はしないだろう。 何よりやってみたいと思った一番は煽り文句。 『あなたの現在過去未来の彼氏が大集合☆』 在庫として余ったものを捌かないといけないとはいえ「彼氏」の需要はあるのだろうか。 だから、残ってしまったのかもしれない。 そんなことを思いながら黒子はちょうど六枚あった百円玉を使ってカプセルを六個手に入れた。 「ッ……、……んん」 こんなことあるはずないと思っていてもどうしようもない。 現実だ。 身体が動かない。苦しい。息が出来ない。 「あ……おみね、くん」 黒子が酸欠で気を失いかけてやっと『青峰』の唇は離れた。 これはそもそも青峰なのだろうか。 先日、会った時よりも空気がやわらかい。 「あァ? どうした、テツ」 息を整わせる黒子の背中を撫でる青峰。 これは何なんだ。 青峰が自分にいきなりキスをしてくることも、 いや、青いカプセルを開けたら出てきた目の前のモノは本当に青峰なのか。 何があったのか。どういうことなのか。 黒子の表情はあまり変わらなかったが青峰は黒子の戸惑いが伝わったようで安心させるように微笑んでくれた。 「テツが嫌ならこれ以上はやらねぇよ」 笑いかけてくる姿も声も黒子の記憶にある青峰とそのまま。 一緒に部活後に練習をしていたような、楽しくコートの中で笑い合っていた頃の、帝光時代の青峰。 そう思えば雰囲気以外にも違いが見えてくる。 昔から青峰は黒子よりも大きかったが、これは違う。 「っ、あおみ、……」 「ヤっていいか?」 これは夢なのだろうか。 青峰に首筋を舐められながら股間を触られる。 下着の中に入った指先が黒子の先端を撫でる。 「テツかわいい」 楽しげに耳を噛まれた。 背筋を掛け上げるもの。 電流のように身体を流れる痺れる感覚。 青峰の勃ったモノが黒子の腿に擦りつけられる。 興奮しているのが分かる。 それが気持ち悪いと思えない。 ゴツゴツとして大きな青峰の手。 耳で感じる熱い吐息。 しごかれ続けて黒子は限界が近い。 青峰の方を見ればキスをされた。 舌と舌が絡まる。最初と同じ大人のキス。 こんなことを青峰としたことはない。 舌の使い方も息継ぎのタイミングも分からない。 青峰の手の動きがどんどん早くなっていく。 黒子は目を開けてティッシュを探そうとするが青峰は唇を離してくれない。 「……んんっ!!!」 堪え切れずに青峰の手の中で射精してしまう。 恥ずかしさに潤んでいた瞳から涙がこぼれて慌ててぬぐう。 俯いてしばらく経ったが青峰は何も言って来ない。 少し怖くなって黒子は顔を上げる。 そこには誰もいなかった。 不思議な体験を黒子は忘れることが出来なかった。 大量に百円玉を用意して昨日と同じ場所へ行ったのだが黒子の目当ては見つからない。 あの謎のカプセルが出てくる自動販売機がないのだ。 撤去されたというよりも初めから存在しなかったような消えっぷり。 目を凝らしてジッと見ても現れない。 溜め息を吐いて黒子は立ち去ろうとした。 ガチャッン 近くに人の気配はしなかったが明らかにコインを入れてカプセルを取り出す時の音。 見れば一つカプセルが出てきている販売機がある。 近づけば見たことのある青いカプセル。 つい手にとって周りを見る。 誰もいない。 だが、泥棒のようで気が咎めて青いカプセルが出てきた販売機を見る。 『今日のあなたはアダルティ―。大人の階段のぼっちゃえ☆』 昨日に青峰としたことを思い出して顔が熱くなる。 黒子はそのカプセルトイの自販機に金を入れようとして気付く。 昨日は百円だったが今度は五百円だ。 微妙に値上がっていることにイラッとした。 幸い五百円は二枚あったので黒子はガチャガチャと回してカプセルを手に入れる。 「どうして黄色が二つも……」 連想してしまうのは一人。 青で青峰が出てきたからこそ、まさかと思ってしまう。 家にはまだ開けていないカプセルがある。 そんな筈がないと思いながら何かを期待して青のカプセルと黄色のカプセル二つを黒子は持って帰った。 夕飯を食べて風呂に入りあとは寝るだけという段階になっても、 黒子の神経は高ぶったまま。 悪いことをしている背徳感。 本を読んで普通に寝ようなど思えない。 手に入れた青のカプセルを開ける。 昨日と同じように黒子が目を閉じて開くとそこに青峰がいる。 いや、同じではない。 青峰は桐皇の制服を着ていた。 身長も昨日よりも大きくなっているような気がする。 知らず、黒子の身体は後ろにずれる。 「テツ」 これから何をするのか分かっているだろと飢えた獣の瞳は言う。 嬉しいのか怖いのか求めているのか自分の気持ちが分からなくなる。 誰かにこの異常を訴えた方がいいんじゃないのかと考えながら、 青峰の手を振り払えない。 押し倒されてパジャマのボタンを外されているのに逃げられない。 逃げようとしていない。逃げる気がなかった。 「テツ、白いな」 「青峰君が黒いんですよ」 青峰の指先が黒子の胸を撫でる。 乳輪をやわやわと揉む。 むずがゆいような刺激に黒子は内股になった。 「乳首勃ってきたな」 その通りだったとしても言われると恥ずかしい。 指の腹で乳首を刺激されながら反対側の乳首は舐められた。 2012/06/30 |