舞台上の観客 | ナノ
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BLコンテスト・グランプリ作品
「見えない臓器の名前は」
- ナノ -
砂隠れの宿の一室、畳の上に胡座を掻いていた私は、まるで水面から起き上がるようにして空気を吸った。
唐突に胸に入ってきた酸素に思わず咳き込む。
締め付けられるように痛む胸を押さえた。
だが苦しいのは、時空眼を使った負担によるものばかりではない。


「――サクラ」


大切な友人の名を呟いて、私は手を握りしめた。


結局砂の里にお邪魔することになった私は、それでも早々と宿に下がると、時空眼を開眼して過去と未来を見ていた。
だが今回の事件に関わりそうな未来を見ていけば、いずれそれらはある一つの道を必ず辿った。
それが、サクラの死。
未来では必ずサスケが命を狙われ、そして必ずサクラがそれに抗い、あるいは庇って、命を落としていた。


私は軽く頭を振った。
脳裏をよぎる、サクラの血塗れ、事切れた姿に、唇を噛みしめる。


過去と未来を見て私にしかできない情報収集をすることは大切だ。
あの未来を、何としてでも回避するためにも。
けれどそうすれば、否が応でもサクラの命が散る場面を見ることになる。
変わらない未来と、削られていく気力に、私はある過去を思い出していた。


「螺旋丸!!」「千鳥!!」


……あのとき、最初私はその未来が訪れるのをなんとか阻止しようとした。
しかし避けられない未来、運命だということに気がつき、一度はそう、全てを諦めたといってもあながち間違いじゃない。
けれど私は両親から学んだ。
どんな未来に行ってしまったとしても、今を諦めないということを。
そしてナルトたちは確かに見せてくれた。
戦いを越えた先に、平和があることを。
戦いの先は憎しみと、更なる戦いでしかなかった過去を乗り越え、新しい未来を創ってくれた。


私は視界に手を翳した。
時空眼を開眼する。


もし今回、あの未来に辿り着いてしまったとしても、そのときは――。


「……必ず助けるからね、サクラ」


言った私の言葉は、未来の合戦の轟きに呑み込まれていった。







私は目を見開いた。
心臓がばくばくと鳴っている。
全身に汗をかいていて、肩で息をしていた。


ややあって、視界にうつっているのが天井だということに気付き、ふと視線を逸らせば、窓から射し込む陽光の眩しさに眉根を寄せる。
しかしすぐに、はっとすると飛び起きた。
頭を押さえる。


いまは、いったい何時だ?


時空眼を開眼し、過去と未来を見ることを繰り返して戻った現実で覚えている最後は、見上げた窓の外、夜空に浮かんだ半月。
あれからまた時空間へ飛んで、それからの記憶がない。
いや、未来に飛んだことは覚えているのだけれど、まさか現実において一夜を越えるほどの時間を飛んでいたのだろうか。
それとも度重なる時空眼の疲労によって、現実へ戻ると同時に気絶していたのかも。

どちらにしても、朝を迎えてしまったことは事実で、だとすると非常に不味い。
だって私が最後に見た未来は――。


窓を開けると窓枠を蹴って、向かいの建物の屋根に着地する。
辺りを見回して方角を確認すると、見えた砂の割れ門に向かって屋根を走る。
飛び上がると印を結んで、空に着地した。
そのまま真っすぐに里外を目指して駆ける。


――カカシ先生。


大きく動く心臓に急かされるようにして、私は足を速める。


どうか今日のことじゃないであって。
どうか間に合って。
どうか――無事でいてください、先生。


見た未来、それはカカシ先生とオビトさんが見知らぬ者たちから襲撃を受けているものだった。
それ自体は――決してよくないことだが――最近よく見る未来であるし、実際相手は血継限界の遣い手のようだったから、今回の事件に関連するものなんだろう。
だが気になったのは、そこが砂漠であったこと。
そしてカカシ先生とオビトさんはちょうど今日、砂との会談のため、砂漠を通って砂隠れの里を目指してきている。


割れ門が近付いてきて、私は時空眼を開眼させた。
自分の体に停止の作用を掛けると、門上空を通過する。
門から十分に離れたところで、時空眼を解いた。


自分の周囲の空気に反射の作用を掛けて、自分の姿を映さなくする術もある。
近くで見ると不自然に歪む空間に気付かれてしまうが、いま私が走っているのは門から遥か上空だから、その術を使って里を抜けても良かったのだけれど、門番には必ず一人感知タイプの忍を置くのがどの里でも鉄則だ。
なるべく気配は消すようにするが、万が一にでも気付かれて、砂の里を騒がせてしまうのは本意じゃない。


見た未来で、カカシ先生と対峙していた男は、敵わないことを悟ったのか自爆していた。
その閃光に呑まれるカカシ先生の背中が、私が未来で見た最後の景色。
どうやら例の首謀者である男が仕込んだ起爆札ではなく、彼自身の血継限界によるもののようだったから、以前のように上空で爆発させる必要はなく、術を巻き戻せば収まるはずだ。


広がる砂漠の向こうで一際大きな砂塵が巻き上がっているのを認めた。
近づいていけば鮮明になっていく既視感を覚える光景に、見た未来だと確信する。
カカシ先生と対峙した男のチャクラが膨れ上がる。
全身が熱を持ったように腫れ、血管が赤黒く浮き上がるのが、上空にいる私からも見て取れた。
その体の一箇所に亀裂が走り、裂け目から閃光がほとばしる――かと思われたそのとき、しかしそれら一連の現象は急速に巻き戻った。
困惑しているのはカカシ先生だけじゃなく、術を掛けた男自身もだった。
私はその男の背後に着地すると、完全に対応に遅れている隙に軽く殴って気絶させる。
地面に寝かせると、ぽかんとしているカカシ先生に駆け寄った。


「カカシ先生、大丈夫ですか!」


私は忙しなく、カカシ先生の肩やら腕やらに走る傷跡を検分すると、安堵の息を吐いた。


「よかった。また襲撃を受けてしまったことはもちろん由々しき事態ですが、大きな傷は無いみたいですね」


笑って見上げれば、しかしカカシ先生はまだどこか呆然としていて、私は首を傾ける。


「あの、カカシ先生?どうしたんですか?――はっ!も、もしかして見えないところに大きな傷が!?大変だ、すぐに医療班を――いや、いっそのこと」


私の時空眼で――と、目にチャクラを集中しかけたとき、カカシ先生は我に返ったように身じろぎした。


「ああ、いや――ごめんね、大丈夫だよ。これらの他に、傷は負ってないから」
「それじゃあ何か、幻術か精神攻撃でも?どこかぼんやりとされていましたよね」
「う、うん。それは、あの……ね」


歯切れの悪いカカシ先生を不安に思って見上げれば、先生は目を逸らして頬を掻いた。


「君に先生って呼ばれたから……驚いて」


私はぽかんとして、そして戦慄した。


し、しまった……!
焦っていて、つい慣れた呼び方で呼んじゃってた……!


私は頭を下げる。


「し、失礼しました、火影様!あの――そう、ナルトたちの呼び方がいつの間にかうつっていたみたいで」
「いやいや、頭を上げて。いいんだよ、別に。確かに俺は火影だけど、様っていう柄じゃないんだよね、実のところは」
「ですが……」
「それに驚いたのは、何も先生って呼ばれたからだけじゃないんだ」


首を傾ければ、先生は真意の読めない目を向けてくる。


「君に先生って呼ばれるの、不思議と違和感がまるでなくてね」
「――!!……そう、なんですか?」
「うん。……こういうの、最近もどこかであったんだよね」


呟くと、何か考えているのか黙り込んだ先生を、私は息を詰めて見守る。


……何か可笑しい。


「いや、気にしてない。それよりお前、どこかで俺と会ったことがないか」


いまのカカシ先生を見ていると、昨日の我愛羅を思い出す。
そしてそんな二人を思えば、脳裏に一つの疑問が浮かぶのだ。


――時空眼の忘却は、本当に完全なものだったのだろうか。


二人を見ていると、私の記憶の欠片が残っているんじゃないかと思えてならない。
だけどあのとき、第四次忍界大戦で、確かに私は術を完成させた。
その効力は絶対で、代償も同じく絶対――の、はずなんだけれど……。
私の、希望的観測なのかな……でも。


思い出すのは、私を引き留めるナルトたちの姿。


もしかして、ナルトたちが私を気に掛けてくれる理由の一つに、このことが関係しているんだとしたら――。


「まあでも、君が生徒だったら、先生は嬉しいだろうね」
「え――」


目を開けば、カカシ先生は、だって、と困ったように笑う。


「名前は素直だし礼儀が出来てるしいい子でしょ。俺の生徒って言ったら、ナルトにサスケにサクラだよ?もう大変なんてものじゃなかったね」


私はくすくすと笑う。


「でも手がかかる子ほど可愛いとも言いますし、何よりみんなはとても素敵ですから」
「まあ、可愛かったのは確かかもね。それに大変だったのは、俺がだらしなかったせいもあるからな」
「そんなことありませんよ」


私はカカシ先生を真摯に見詰めた。


「火影様だって、とても素敵な方です。強くて、優しくて、部下を思いやってくれる、助けてくれる。……だから、火影様の生徒はみんな――みんな、あなたが先生で良かったって、きっとそう、思ってます」


先生は優しい眼差しを私に向けると、ぽんぽんと頭を撫でてくれた。


「……名前にそう言ってもらうと、すごい嬉しいね」
「……私もです。私も、さっき火影様に同じようなことを言ってもらって嬉しかった」


本当に――と、私は目を閉じた。


「随分と和やかな雰囲気だが、先程戦闘を終えたばかりだということを覚えているのか、お前たちは」


カカシ先生が隣に目を向ける。


「ああ、いたの。オビト」
「カカシ、お前な……」
「いやーオビトは強いから、まるで心配してなかったんだよ。だからついつい存在を忘れててね」


にっこり笑ったカカシ先生に、オビトさんは諦めたように溜息を吐くと、そうして訝しげに私を見た。


「お前一人か」
「はい」
「ということは砂隠れの里に何かがあったわけじゃないな。そうだとすれば砂の者か、木ノ葉の者が報告に来る」


オビトさんは、だが、と腕を組む。


「ならば何故お前はここに来た?俺かカカシに何か内々に話したいことでもあったのか?」
「いえ、そうではないんですが……あの、嫌な予感がして」
「嫌な予感?だから一人でここまで来たのか?」


そのとおりなので私は首肯した。


「……先程、カカシが相手をしていた男の術が、まるで巻き戻ったように消えたな。あれはお前の術か」
「そうです。詳しいことは言えないんですが、私は拘束とか、そうした類の術がどちらかと言えば得意でして」
「お前らしいな」


ふ、と笑ったオビトさんが一歩私に近付いた。
しかしオビトさんの姿はすぐに、私の前に立ったカカシ先生の向こうに見えなくなる。


「何の真似だ、カカシ」
「ちょっとやめなよオビト、さっきから、戸惑う女の子相手に強引に」
「俺が変態みたいな言い方をするな!」
「名前のように特異な術を持っていて、かつ後ろ盾でもある里を持たない忍にとって、自分の手の内を曝すことは命の危険に繋がりかねないことは分かってるだろ」
「それは当然だ。だがこいつの行動原理はどうも自分じゃなく周りに重きを置いているように思える。だから手の内の隠し方が、こいつにとって本当に正しいのか、そこが気になったんだ」
「……それは、確かに言えるな」


カカシ先生は私を振り返ると心配そうな眼差しを向けてきた。


「ねえ、名前、大丈夫だよね?ちゃんと自分にとって言っていい情報と悪い情報は分かってるよね?名前の命を危険に晒すような情報を、ぽろっと言っちゃったりなんかしてないよね?」
「大丈夫ですよ」
「不安」
「ああ。まったくもって信憑性がない」


私は苦笑すると頭を掻いた。


「サクラにも、似たようなことを言われました。――そういえば、そろそろ砂の里へ行きませんか?二人の傷、小さいとはいえ戦闘を終えてチャクラも減っているだろうし、治療してもらわなきゃ」


言って、二人と砂隠れの里へ戻った私はしかし、サクラが倒れたという話を聞きつけて、慌てて宿へ駆けつけた。
部屋の襖を開ければ、布団に横になっているサクラと、その傍にナルト、サスケ、いのの三人がいて、私を振り返ったナルトが苦笑する。


「サクラちゃんてば、疲労だって」
「医者の不養生ってやつね。最近無理しすぎなのよ」


いのが呆れたように笑う。
サクラが私を認めると体を起こそうとしたので、私は慌てて傍へ寄った。


「起きなくていいよサクラ、安静にしてて」
「よかった、名前……姿が見えなかったから」
「どこに行っていた」
「火影様とオビトさんのところに行ってたんだ」


サスケの問いに答えれば、ナルトが立ち上がった。


「それじゃあカカシ先生たち、砂の里に着いたのか」
「うん。でも道中でまた襲撃を受けて。もちろん火影様たちは無事だよ。いまは相手の搬送と、風影様へそれらのことを伝えに行ってる。サクラのこと、すごく心配してた。いい機会だから養生して、って」


サクラは苦笑するように笑って頷いた。


「襲撃だと?――サクラ、俺は少しカカシのところへ行ってくる」
「俺も行くってばよ」
「それじゃあ私は必要なものとかを調達してくるから、ここ任せてもいい?名前」


いのに聞かれて、私は首肯する。
部屋には二人きりとなった。
黙したままの私に、サクラは笑ってみせるが、その笑みはどこか弱弱しい。


「大丈夫だから。こんなの、大したことじゃないのよ」


私は首を横に振った。


「何よ。名前の方が、まるで病人みたいな顔色じゃない」


サクラが倒れたと聞いたとき、血の気が引いた。
駆けつけて容体を見て、疲労が原因だと聞いて、敵の攻撃によるものじゃないと分かってひとまずは安堵したが、だからといって喜べる状況じゃないことは明らかだ。


「本当に大丈夫だってば。ほら、私って、自分で言うのもなんだけど、医療忍術に長けてるでしょ?今回は疲労が原因だから体を休めなきゃ始まらないけど、それ以外のことだったらすぐ治せちゃうんだから」
「……それは、そうだと思うよ。サクラの医療忍術は本当にすごい。事実みんな――私も、サクラのことをすごく頼りにしてる」
「でしょ?だから――」
「でも」


サクラの言葉を遮って、私はその手に触れる。


「治せるからって、痛くないわけじゃないよね」
「――名前」
「治療を施して、傷跡や痛みが、まるで最初からなかったかのように消えたって、傷を受けたときは痛いし、痛みを受けた事実は消えない」


私はサクラを真摯に見詰めた。


「サクラが傷付けば、悲しむ人がたくさんいるんだよ」
「名前……」
「だから自分をおざなりになんてしちゃ駄目。もっと自分を、大切にして」


サクラは私を見返すと、やがて、うん、と頷いた。
ようやく笑った私の笑みに誘われるようにして、サクラが笑う。


「なんか、名前といると、すごくむず痒いような気分になるのよね。嬉しいんだけど」
「むず痒い?」
「うん。なんていうか、自分がすごく特別で、大切な存在になったみたい、っていうか」
「それは事実だよ。サクラも、みんなも、とても素敵で、並びない存在なんだよ」
「一介の忍に、やめてよ、もう。……にやけちゃう」


サクラは頬を撫でると、でも、と私に目を向けた。


「前も同じような話をしたけど、私に言うなら名前だって、それを守ってよね」
「私?」
「名前も自分を大切にして、ってこと」
「私はいいんだよ。まあ、なるべく怪我は負わないようにとは思ってるけど」
「――ちょっと待って」


サクラの声は明らかに怒った色をしていた。
起き上がろうとするので止めようとしたが、サクラは構わず上体を起こすと、強い光を翠に湛えて私を見る。


「前もそうだった。どうして自分は良くて、私は駄目なの?」
「……いつだって、私のことも見てくれるんだね」
「――何?」


ぼそりと呟けば、聞こえなかったんだろう、サクラは眉を顰めた。
私は首を横に振ると、サクラの視線を真っすぐに受け止め返す。


「傷を負ったって叶えたいことがあるの。そして――」
「そんなの、私だって同じよ!傷付けば悲しむ人がいることだって、全部同じじゃない」
「――違う」
「違う、って」
「私には、私が傷付いて悲しむような人はいないんだよ」


サクラは瞠目した。
私のことを凝視して、やがて、嘘、と首を振る。


「どうしてそんなこと言うの?だって、そもそも名前が私たちと行動するようになったきっかけが、敵に狙われてる大切な人たちを守るためじゃない」
「私が大切だと思っているだけで、その人たちが私のことを大切に思っているわけじゃないんだ」
「――嘘」
「嘘じゃない」
「どうして言い切れるのよ。名前、こういうことには鈍感でしょ」


私は思わず苦笑する。


「そうなのかな。それは分からないけれど……私を想う人はいない。そのことは、確信を持って言えるんだよ」


サクラは瞠目した。
震えると、俯く。
しかしやがて顔を上げると、真摯な眼差しを私に向けた。


「ううん。やっぱり違うわ、名前の言ってること」
「違う?」
「ええ。だって、私は名前のことを、想ってるから」
「――サクラ」
「名前が傷付けば、私は悲しいもの」
「……サクラはやっぱり優しいね」
「同情で言ってるわけじゃないわ」
「……私は木ノ葉の忍じゃないんだよ」


言えばサクラは怪訝そうに眉を顰める。
私は続けて、


「それに、同じ班の仲間でもない」
「だから何だっていうの?」
「――どうして」


私はぼそりと呟いた。


「それじゃあどうして、サクラは私のことを想ってくれるの?」


サクラは目を見開き、呆然としていたが、ややあって怒ったように眉根を寄せた。


「同じ里の忍だとか、同じ班の仲間だっていうことだけが、誰かを大切だと思う理由じゃないでしょ」
「それはそうだけど」
「それに名前は何度も、私のことを助けてくれたじゃない」


言い返そうとして、しかしこれまでの問答を思い出した私は返答に窮して口を噤んだ。
そんな私にサクラは痛ましそうな眼差しを向ける。


「ねえ、名前は、誰かに想われることを望んでないの?」


私はただサクラを見返した。
サクラは続けて問う。


「私は、名前のことを想っちゃ駄目なの?」


私は堪らずサクラから視線を逸らした。
見詰めてくるサクラの視線を感じながらも、しかし応えることはできそうにない。
目を落とせば、正座する膝の上で握り締められた自分の手が視界に入った。
すると震えるその手に、サクラの手が重ねられる。
私は瞠目すると、その手を取り――サクラの許へ返した。
私は、うん、と言った。


「駄目だよ。……ごめんね」


でも――と私は笑う。


「ありがとう」


サクラは泣きそうに顔を歪めた。


「だったらどうして、そんな泣きそうな顔をするのよ」







20181025