舞台上の観客 | ナノ
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「残る人柱力、鷹は八尾を狩りに行け。九尾は暁のリーダーが狩りに行く」


――マダラさんの頼みで未来を視てから、気絶するように眠って…イタチさんの、夢を見た。
するとどれくらい時間が経ったのか、マダラさんに優しく起こされて。

鷹と対面した開けた空間にまた、鷹、マダラさん、ゼツさん、そして私が集まり、次の仕事の内容を聞いている。

私はマダラさんを見た。


「マダラさん、私は…」
「そうだな、今回の人柱力捕獲は、このアジトからそれぞれの里に向かう時間も考えると大体同じタイミング。お前の好きな方で良い」
「ちょっと待て、こいつが仕事に着いて行っていったい、何をするんだよ?」


マダラさんの言葉に、自分の希望を述べようとして、けれど先に香燐が口を開いた。
マダラさんが香燐を見る。


「名前は謂わば、お前らのサポート役だ」
「サポート、役?」
「ああ、名前は人柱力を抑え込むことが出来る。ま、本来の一番の役目は、尾獣を封印する時のことだがな」


サスケ以外の鷹のメンバーが私を見る。
すると床に半分位が埋まっているゼツさんが、マダラさんを見上げて。


「名前は鷹の手伝い、八尾を狩りに行ったほうがいいんじゃないかな」
「八尾ノ人柱力ハ、尾獣ノ力ヲ完全ニ制御スルコトガ出来ルト聞クカラナ」


その言葉にマダラさんは腕を組む。


「いや、制御出来るからこそ、もしも尾獣化しても八尾の方は、ちゃんと思考がある。だが九尾の方は、尾獣化してしまえば、うずまきナルト、アイツの思考はそのとき無い…ほとんど本当に尾獣だ」


私は少し手を握りしめて、マダラさんを真っ直ぐに見た。


「マダラさん、私、木の葉に行きたいです」
「名前、お前にそれが出来るのか?」


けれど私の希望に答えたのはマダラさんの了承でも否定でもなく、サスケの問いで。

部屋の者が、そして私も、サスケを見る。


「どういう意味だ?サスケ」
「アンタだって名前の性格は分かっているんだろ。コイツにナルトを、九尾を狩ることを出来るわけがない」
「名前が過去を引きずる、過去の繋がりに情を持つだろうと言いたいのか?」
「コイツは、昔と何も変わっていない」
「だが今は暁のメンバーだ。仕事はきっちりこなしてくれる。げんに前、名前はサポート役として、一尾捕獲を成功させた」


サスケが驚いた表情で私を振り返った。


「一尾の人柱力、風影の我愛羅…ナルトや、サスケ、お前よりも昔から、名前はアイツと交流があったがな…それより名前、今から木の葉に出発したとして、けれど今回はペインだ。早めに行かないと無駄足になる可能性もある」
「あ…あの、それで、マダラさん、私が木の葉に行かせてもらいたいことには、理由があるんです」


マダラさんが少し疑問符を浮かべる。


「九尾捕獲に木の葉へ行くのはリーダーと小南さん、きっと木の葉への被害は、鷹が雷の国で起こしてくるものよりも大きいと思います」
「ああ、そうだろうな」
「私、…私、あの術の、リハーサルをしたいんです」


マダラさんは目を見開いた。


「それは駄目だ、許可は出来ない」
「けれど、マダラさん、」
「名前、お前は知っているハズだ。あの術を使い、そしてそれだけで、死んでしまったお前の一族の者を」


サスケが目を見開き息をのんで、私を見る。


「その左眼で見たハズだ。あの術は、生きている中でそう何度も使えるわけじゃない。そして今は、使う時期じゃない」
「マダラさん、あの、」
「それに俺は、お前にあの術を使わせた後にお前を死なせる気は毛程もない。ちゃんと体力を万全にさせてから、あの技を頼むつもりだ」
「ええと、マダラさん、」
「最近のお前の、そして時空眼の様子からしても、今お前があの術を使えば、死の可能性が無いわけじゃない」

「ちょっと!いい加減名前に喋らせてあげなよ!」
「それより、今の会話の術はいったい何なんだ…!」


水月が、堪らなそうにテーブルを叩いて言う。
そしてサスケが、私とマダラさんをキツく、睨むようにしながら。


「それは流石に言えない、秘密だ」


けれどマダラさんは至ってさらりとそれを交わして。

私を真っ直ぐに見るマダラさんの赤い瞳。
――マダラさんからは再三、あの術についての詳しいこと、術の使用後などについてのことは、口外しないように言われている。


「あの、マダラさん、違うんです」
「違う?」
「はい、リハーサルとは言っても、対象は火ではなく…木の葉そのものです」


意味を察してくれたらしいマダラさんに、私は続けて


「対象は違うとしても、いったいどのくらいの負担がかかるのか、試しておきたいんです。どのくらいなのか知ることもそうだし、身体をその負担に、慣れさせておきたいというか…」


――数秒の重い沈黙の後、マダラさんはため息をついた。


「分かった、…許可する」
「ありがとうございます、マダラさん!」
「だが、絶対にその術を、左眼を使うまでは時空眼を使うな。まあ、今回尾獣を狩るのはペインだ。たとえ尾獣化しても、お前の手を煩わせないだろうが…体力が万全の状態で、使用しろよ」


私はにっこりと笑う。


「大丈夫ですよ、マダラさんのお陰でここ数日はとても休めましたから」
「ふふ、ならいい」





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