舞台上の観客 | ナノ
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――単独行動でいいと言われた私は山の中の洞窟で腰を落ち着けて、未来を視ていた。

未来は、いくつもある。
けれど、視る頻度が多い未来は実際に起こる確率が高い。

そして今私は、デイダラさんのチャクラを探りながら空を走っていた。


サスケとデイダラさんが戦うなんて…どうして…!
きっと絶対に、サスケとデイダラさんは戦っている。
その未来は何度も視たから、間違いない。
そして、次に多く視た未来は、デイダラさんが、自爆する光景。


「デイダラ、さん…!」


――サソリさん、飛段さん、角都さん…暁のメンバーが次々に、減っていく。
私はそのたびに、悲しむ。
悲しんで、けれど、止めることはしない。
それは暁に入る前から、決めていたこと。


「暁に入った以上、クールに振る舞えっつったろ、うん」
「つ、次にデイダラさんに会う時は、暁に相応しいようクールになっておきます…!」
「…ったく、無理矢理に笑いやがって…まぁ、次会うときを楽しみにしてるぜ、うん」


それなのにどうして、私は走っているんだろう。


「見つけた…!」


すると林の一角、木々が薙ぎ倒され、所々から煙が上がっている場所が視界に入った。
私は術を解いて、空から落ちていき木の上に着地する。


時空眼でデイダラさんの姿を捉えられれば、巻き戻しの作用で自爆を止められる…!


目を凝らし、木々の枝の隙間を縫った先を見る。
そうして一つの核のように変わっていくデイダラさんを、確かに捉えた。


「マダラさ…!」


けれど、時空眼を使おうとしたその瞬間、私の前にマダラさんが降り立って。

驚きながらマダラさんを見た私は、目が合った瞬間にまた、数日前、鬼鮫さんを見たときのように右目が疼いて、息をのんで目をおさえる。


「マダ、ラさん…待っ…!」


その間にマダラさんに肩を掴まれた私は、マダラさんの右目から吸い込まれて。

最後に垣間見えた視界の中に、閃光にさらされる木々がうつった。














「――デイダラガ死ンダ、最後ハ己デ大爆発ダ」
「あらら、またメンバーが減っちゃいましたねえ。彼は結構、強かったと思いますが」


――シルエットで洞窟内に集う、暁。


「で、どっちに殺られたんです?サスケか、九尾の人柱力か」
「サスケダ」
「ただしね…サスケも死んだみたいだよ」
「道連れですか…それより名前は、どうしたんです?姿が見えませんが」


ゼツが少し顔を歪める。


「それがね、場所に少し、名前の気配を感じたんだ…デイダラのやつ見境なく爆発しやがったから…巻き込まれてないと良いけど」


イタチが目だけで、ゼツを見ると


「トビはどうした」
「トビはデイダラと行動してたからね…名前とは違って確実に、死んだみたいだよ」
「まあ良い、あの程度の男なら、いくらでも補充がきく…デイダラは惜しかったが…」


ペインがメンバーを見る。


「それよりも気になるのは名前の生死だ、名前が居なければこれからの尾獣狩り、そして封印に、多大なリスクが生じてくる」


そうして少し身を翻すと


「俺は行く…せめて静かにデイダラを弔うとしよう。人柱力捜索の際に、名前のチャクラも探しておけ」





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