舞台上の観客 | ナノ
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 「みんな、ご苦労だった。当面の脅威は去ったが、暁はまだ居る。これからも気を抜くんじゃないよ」


――火影室――。
 綱手の言葉に、暁の飛段と角都を倒した面々が、真剣な表情で頷く。


「火影さま、お呼びでしょうか」


すると部屋の扉が開き、面々が後ろを振り返るとそこには、ガイ班や紅の班員などが居る。


「ああ、全員座れ」
「つ、綱手のバアちゃん?いったい何が…」
「――今ここに居る者達は全員、名字名前と面識があるとみて、間違っていないな」


――二年前、名前が里を抜けた時と同じような質問に、ナルト達は眉を寄せ疑問符を飛ばす。
逆に綱手は「そりゃそうだ、二年前にも確認したからな」と一人で笑う。


「――お前達に、会わせたい奴が居る」


そうして真っ直ぐとナルトらを見た綱手の言葉に応えるように、再び、火影室の扉が開いた。











「ソレニシテモ、マサカ角都ト飛段ガ殺ラレルトハナ…」
「ゾンビコンビなのにね」


――火の国の、とある林の中を歩いている中、先の方に光る目が見えて、私はゼツさんを振り返った。


「ここから先は、木の葉の、とある一族が受け持っている場所なんです」



「ああ、普段はもっと警戒してるぜ。――前にキバと赤丸だけで来た時は近寄ってこなかったからな」



「多分、ゼツさんが入っても警戒されるかと思います」
「オ前ハ平気ナノカ…」



「よく分かんねぇけど、鹿達はお前が結構好きみてぇだぜ」



 「記憶によれば、…多分、大丈夫かと思います」


眉を下げて笑うと、黒いゼツさんが息をつく。


「この先に、飛段が埋められてる場所があるの?」
「――はい」
「…警戒サレルナラ俺達ハ先ニ行ッテルゾ」
「はい、ゼツさん」


逆に白いゼツさんは、眉を下げて心配そうな顔をした。


「でも、大丈夫…?」
「ああ、もし私の記憶違いだったとしても、その時は直ぐに立ち去りますよ」
「そうじゃなくて、名前、――今にも泣きそうな顔してるから」



深く関わるつもりは無いんだけれど



「…行クゾ…」
「でも、名前…」
「イイカラ、行クンダ…」


――ゼツさんの言葉に、私は、何も言えなかった。
大丈夫ですよ、と、笑うことも、出来なかった。





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