舞台上の観客 | ナノ
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「#幼馴染」のBL小説を読む
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――火の国、木の葉隠れの里の、とある演習場にて…。
ナルトの新術を作り出すために、とまず、カカシがナルトを見た。


「 良いか?基本的にチャクラの性質変化の種別は、五種類しかない。 火、風、水、土、雷の五種類だ」
「五種、類」
「ああ。 大体、皆どれかの性質にあてはまるチャクラを持っていて、火なら火遁、風なら風遁、雷なら雷遁だ」
「ってことは、サスケは火と雷の、二つの性質を持ってるってことか」


顎に手をあてて小さく、納得したような声を漏らしたナルトの脳裏に――



「――響遁 重音の壁」



名前の術が、現れる。
 ナルトは手を離すと、眉を寄せて疑問符を浮かべながら、カカシを見上げた。


「なあ、カカシ先生」
「ん?なんだ?」
「じゃあ…名前は?」
「…確かに、名前の使う響遁なんてのは、忍の世の、どんな巻物にも載ってない。 つまり、」
「つまり…?」


いたって真面目な顔をしてナルトを見ていたカカシは、頭をかいて笑った。


「いやー残念だけど、俺にも分かんないんだよね」
「ダアッ!わ、分からねえのかってばよ」


 カカシはふう、と息をつくと、空を見上げた。


「あの眼といい、名前については色々、秘密なことが、浮き彫りになってきたね…」












「――はい。時空眼は、使うだけで身体に負担がかかるので、時空眼はいわば最終手段として、普段の為に、聴力の方を鍛えたんだと思います」


――二尾の捕獲を終えた。
そして今は、恒例の、飛段さんの儀式が終わるのを待っているところ。

 問いに答えると、飛段さんは腹に自分の武器を突き刺したまま唇を尖らせる。


「ちぇっ、お前って、結構いいの持ってるよなぁ」
「私は、飛段さんの…術…?は、飛段さんにしか出来ないと思いますよ」


潔さすら覚える程のマゾの気の持ち主ですからね!


「…しかし俺は、最初にお前の能力やらを聞いたとき驚いたぞ」


 角都さんに首を傾げる。


「それほどの能力を持つ一族ならば、忍界大戦やらの時に名が上がっただろうに」
「…そうかも、しれません」


――儀式が終わったのか、武器を腹から抜いて立ち上がる飛段さんと同じく、角都さんが立ち上がると、私の頭に優しく手を乗せた。


「まあ、お前の一族が皆お前のような性格をしているのなら、戦争などには出ないのかもしれんな」
「――…どうでしょうかね」


 にっこりと笑って私も立ち上がって、暁の衣を軽く手で払う。
飛段さんが私を見て、


「お前はこれから、違う奴らのとこに行くのか?」
「はい、三尾の捕獲です」
「頑張れよぉ!」


笑いながらグシャグシャと髪を撫でてくる(というかかき混ぜてくる)飛段さんに笑って頭を押さえて、小走りで私は二人から、離れていった。


「 ところで、俺らは次はどこに行くんだぁ?角都」
「――火の国の賞金首だ」
「げぇっ!また金稼ぎかよ、ったく!」





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