あなたとの物語

目覚めた朝。

これは屋敷での物語


鳥のさえずりが聞こえる。
目を開ければそこは少し前から自分がよくいく屋敷の部屋だった。
そう、あるメイドだけが住む悪戯の好きな神様の管理した屋敷。

偶然に迷い込んだ自分に「ご主人様」として接し仕事をする彼女が導くままに数日。
そろそろ自分のいた場所に帰らなければと思うのになぜか彼女をほっとけずに現在にいたる。

「おはようございます、ご主人様。」

声のほうに振り向くとそこには長い黒髪で透き通った水色の瞳をしたメイド【雲雀舞姫】が立っていた。
彼女は優しくい微笑みそばに近寄っていく。

「?
どうかなさいましたか・・・?なにかお悩みですか?
?」

『いいや・・・俺はそろそろ帰らないといけないと思ったんだ.
ここは楽しいが…でも…。」

口をつぐんでしまう自分とそれを見つめなにか困った顔をするメイド。
無言の数分の後彼女はまた微笑みよかったとつぶやく。

「ここは、心の疲れた人や寂しいと思った方が来やすい場所。
たまに違う方もいますが・・・帰りたいと思えたのであればきっと帰れます。」

『え?』

「ここはそういう人たちの癒しの場。でも、神様がいたずらをして帰りにくくなっているから…でも、私に話してくれたから大丈夫。貴方は帰れます。」


少し寂しそうに悲しそうに微笑む彼女をそっと離れて頭を下げる。


「いってらっしゃいませ、ご主人様。また貴方のお帰りをここで待っています・・・!」


そういったとたん部屋に隠された扉が開く。


『これは・・・。』

「あなたのリアルに帰る道です。・・・これでお別れですね。
ご主人様の幸せをここで待っています。」

『君はどうするんだ?』

「私はここの住人。離れることはできません。
でも…もしまた私に会いたいと思ってくださるのであればきっとまた扉が開くでしょう。」


涙を瞳にためてそのまま微笑み「いってらしゃいませ。」という彼女。

【あなたはこのままリアルへ戻りますか・
それとも…ここで永遠の時の中で神の悪戯のなかで平和に過ごすことを選びますか?

君の選択でまた一人の世界が変わる。
あなたの選ぶ道はどれですか。】

終わり

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