柑流語り
世の中って、めんどくさい事が多すぎると思うの
学生の今でもたくさんのめんどくさいがあるんだから、社会に出たらきっともっとあるに違いないわ
内申点が低いやら高いやらで盛り上がる優等生とか
あの子は誰が好きであの子は誰と付き合ってるとか話す女子グループとか
学校行事ではクラス一丸となって最高のものにしようって騒ぐ級長とか
馬鹿馬鹿しいって思ってた。もちろん現在進行形でも思ってるけど
こんな考えだから、中学の時の友達なんていなかった
いや、いなかったって言うのは語弊があるかな。みんな一方的に友達だと思ってた子もいたみたいだから
その「人類皆友達」みたいな考えの子なんか最もめんどくさい
私は一人でいたいから話しかけたりしないでほしいのに、どうでもいい事をいつまでも話しかけてくるから、こっちはいい迷惑よ
そんな私だけど、将来に向けての希望くらいはあるの
楽な事だけしたい
お金に困りたくはない
時間に追われる生活は嫌
出来れば早めに死にたい
そんな事を考えていたら、気づいたら私は高校生になっていた
高校は中学よりずっと楽だった。それぞれが個々の世界を持つから干渉が少ないのが良かった
そして私は、伊織と出会った
伊織は私と色んな考えが一緒だった。今までに無かった意見の一致。素直に嬉しかった
それから私たちは、一緒にいるようになった
お互いがお互いの世界をもっていて、少し距離のあるとても居心地のいいものだった
友達みたいな、恋人みたいな関係
すごく幸せな関係
私の将来への希望は少し変わった
出来れば早めに死にたい、2人で
それを伊織に話したら、伊織は雑誌から顔を上げて、柑流の考えって突飛よね。なんて言うから、嫌?って聞いたら、素敵って答える。私はそんな伊織が素敵だと思うの
(所詮泡沫の夢だけど)
(泡が消える前に死んでしまえたら、それは永遠になるかしら)
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