伊織×柑流




昼休み、私と柑流は中庭でお弁当を食べていた。
教室で食べた方が移動もなくて楽なのはわかってるけど、教室だとうるさいから落ち着けないから天気が悪い時以外は大体中庭で食べてる。

「柑流、ちゃんとブロッコリー食べなきゃ駄目よ?」

「だって、なんかブロッコリーって可愛くないんだもの」

そう言って柑流は唇を尖らせる。
すごくそれ、可愛いんだけどやっぱり駄目なものは駄目だから、食べるようにもう一度促すと、嫌そうな顔をしながらも時間をかけて飲み込んでいた。

「あ、そうだ。私ね、猫飼い初めたの」

お弁当を食べた後、ふと思い出してそれを言うと柑流の目の色が変わった。

「いつ?なんで」

「昨日の夜、お父さんが会社の人からもらって来たの。でもまだ必要な物とかも買ってないしわかんないから今日の放課後、買いにいきたいのよね」

そう言うと、柑流の目はますます輝いた。
柑流は猫が好きだ。そして猫にもよく好かれる。だから飼ってはいないけれど近所の野良猫たちはみんな飼い猫みたいな感じになっちゃってる。

「それでね、何が必要かわからないから、柑流一緒に買い物付き合ってくれない?」

「もちろん、いいわ」

返事はものすごく早かった。まあ柑流が断ることはないとわかっていたけどね。
その執着、少し嫉妬しちゃうわね、なんて思ってたけど、オススメのお店があるの。安いし、種類も豊富なのよ。
なんてウキウキした顔で言う柑流が可愛いから、仕方ないなぁなんていつの間にか思ってしまって。

(放課後、楽しみね)
(そうね。そうだその猫、見に来る?名前も決まってないから2人で決めましょ)
(いいの?じゃあ行くわ)















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