千秋×結汰


世の中は不公平すぎる。

今日で何度目かもわからないため息をついた。
何をしていても、何となくつまらない。
梅さんと遊んでても、本を読んでいても、音楽を聴いてみても、
なんとなく、楽しくない。

じゃあ昼寝でもしてみようかと横になってみても、少しうとうとしたかと思ったら、一時間ほどで目を覚ます。こんなのの繰り返し。

「梅さん、僕はどうしちゃったんだろうね」

横で丸まって寝ている梅さんの頭を撫でると、目を覚まして頭を手に押し付け、もっと撫でてとねだってくる。
手を喉に動かして撫でてあげれば、ぐるぐると喉を鳴らし、目を細めた梅さんはまた眠りについてしまった。

そんな事を繰り返して、やっと夜になった。
そういえば、お昼ご飯食べてないけど食欲はない。
お風呂に入ってみても、どことなくスッキリせず、早々にお風呂から上がり、ベッドにダイブ。
うつ伏せになって、眠くなるまでの時間をどう過ごせばいいか考えてたら、携帯が静かにバイブレーションでその存在を知らせた。

「……だれ?」

ゆっくりとした動きで携帯を開けば、画面には“千秋”の文字。
朝、メールをしたのにそう言えば帰ってきてないな、ってぼんやり思い、そういえばじゃなく、今日は、ちーの事をよく考えてた事に気づいた。

今日一日で一番胸がはずんだ。急いで受信フォルダを開く。

“返事返せなくてごめん!今日は昼からバイトで今帰ってきたトコ
それで、返せなかった上に悪いけど、今日はもう寝るな;また明日!おやすみ!”
弾んだ胸は急速にしぼみ、“わかった。おやすみ”とだけ打ち、送信して携帯を放る。
もうこの際眠ってしまおうと布団に潜り込んでみるけど、昼寝をしたせいで、全く眠くない。

……………世の中は、不公平すぎる。






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