伊織×柑流





「伊織、勉強教えて」

5時間目、先生が出張で世界史の授業が自習になった。
急な出張だったらしく、代理になれる先生もいなかったみたいで先生は誰もこない。
そろそろテストが近いからか、クラスの生徒は各々仲のいい子たちで固まって勉強をしてる。

柑流も勉強をしていたみたいで、手には数学の教科書があった。

「いいよ、どこ?」

「…ぜんぶ」

元々そんなに席は遠くないから、柑流は椅子を引っ張ってきて私の横に座る。

柑流は、頭が悪いわけじゃない。むしろ数学を除いたらそれぞれ学年5位内にいつもいる
ただ、数学があまりにもひどい。
理由は至って簡単で、授業中に寝てしまうから。
本人曰く「あの先生の声は眠くなる」かららしいけど、多分柑流が数学嫌いだから本能的に睡眠のスイッチが入るだけ。
もちろん、内容を教えれば平均点くらいは取れるけど、教えなかったら5点や10点は当たり前だと予想される。

でもテスト前になると必ず「教えて」って言いに来る柑流が可愛いから、ついつい甘やかしちゃうのよね。


「数学の授業が無くなっちゃえばテストも無くなるのに」

そう横で呟く柑流に、まずテスト範囲を伝えるとこから始めましょう。



アンチマスマティクス・ガール


(柑流…授業中だけじゃ時間が足りないみたい…今日の放課後は家でお勉強しよう?)

(頑張ったご褒美に伊織の作ったクッキーくれるなら勉強する)











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