冬樹語り




真生が、親戚の集まりとやらで、ここ2日ほど家を空けるらしい。
「すぐ帰ってくるから、待ってて」なんて言うから「せいせいする」って返したら、あいつはケラケラ笑って家を出た。
それがつい2、3時間前だ。
あいつがいない間に、昨日出されたレポートに取りかかってしまおう。
提出日はまだまだ先だけど、やっておくに越したことはない。
そう思ってペンを取ったら、思ったより手は進み、ついでに他の課題も終えてしまった。

ぐん、と軽く伸びをして時計を見ると、思ってたより時間は進んでて短針は6を指していた。
冷蔵庫を適度に漁って、対して面白くもないバラエティを見ながら食えそうなもんぶっこんで作ったピラフを食べた。
なんか物足んない気がするけど、腹は膨れたしと思って風呂に入る。
ほぼ一日中座りっぱなしだったせいか背中やら腰やらの骨が悲鳴をあげていたから、温かいシャワーが心地よかった。

なんだかんだで細かいことしてたらもう10時になってて暇だしもう寝るかと思いベッドに寝転ぶ。
なんだ、あいついなくても別になんともないな、なんて思って目を閉じてからが、やけに長く感じるま゛
なんとなく寝つけない。右へ左へと寝返りをうっても寝心地が悪くてイライラする。
イライラすることでまた更に目が冴えて悪循環をたどる一方。
いつもなら、狭いくらいのベッドなのに、広く感じるベッドと温まらないシーツが俺に孤独感を与える。
いつもなら、あいつがいるのに。
心の中で舌打ちして、きっとこの2日間は夜眠れないだろうという予想をたてる。

(お前がそばにいない、それだけで不安になるなんて)










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