First Kiss






最近は言いそうだな〜って言うのが、わかってきた。

例えば、お昼休みの屋上でお弁当を食べ終わった時、とか。

例えば、部活で、3年生のレギュラーからポイント取った帰りとか。

例えば、今みたいに、人通りのない帰り道の途中で・・・とか。











聞かれるから恥ずかしいのに。

嫌がってるって、思われてないかな・・・?

時々、不安になってしまう。



「あのさー?」



来た・・・かな?

夕日のせいか、赤也くんの顔が少し赤く見える。

言われると、また『ダメ』って言ってしまいそう・・・

断った理由を聞かれた時に、

恥ずかしいから、って言ったら、

俺たち恋人同士だろ!?って呆れられた。



それでも―――



恥ずかしいものは、恥ずかしいんだもん。

聞かれるから余計にそう感じるのかもしれないけど・・・

嫌、なわけじゃない。

そんなわけ、絶対にない。

相手は赤也くん、なんだもん。

嫌なんて、あるわけないよ・・・





「静・・・」



名前を呼ばれる。

多分・・・というか、この流れは間違いなく『あの話』。

聞かれると、また首を振ってしまいそう。

また、赤也くんをがっかりさせてしまいそう・・・

そう思うと、無性に・・・



「赤也くん・・・」



身長差があるから、一瞬のタイミングが大切。

失敗したら、やり直しなんて恥ずかしくてできないから・・・



「耳、かして・・・?」



内緒話をする真似をして、少しかがんでもらう。

私の方へ耳を向ける赤也くんの顔を、そっと両手で向きを変える。



「へ?」



目が・・・合う。

赤也くんが何か言おうとしたけど、ここで止まると失敗しちゃう。

背伸びをして、少し首も伸ばす。

触れて・・・すぐに離れた。





「なっ!?」





口を手の甲で隠して、驚く赤也くん。

これでもかってくらいに、目が大きく見開いてる。

顔も真っ赤になって、きっと夕日のせいなんかじゃないんだろうな・・・

そう思うと、赤也くんが何だかかわいく思えてきて、

少しおかしいのと、恥ずかしいのを誤魔化すように、



「奪っちゃった・・・」



そう笑えば、赤也くんはそのままグルッと後ろを向いてその場にしゃがんでしまう。





「あ、赤也くん?」

「あ〜、くそっ! 静、そのまま動くなよっ!!」

「へ?」

「落ち着いたら、リベンジだからな!!」





背中を向けたまま、アスファルトへ叫ぶ赤也くん。

先越された〜って、小さくくやしそうな声が聞こえてくる。



ダメなんだけど、

怒られるって、わかってるんだけど、

どうしても我慢できなくて・・・

声を出して、笑ってしまった。



その時は、

そのせいで赤也くんの『リベンジ』により拍車がかかるだなんて、考えもしなかった。






















8000hit キリリクで赤也×静でした。

赤也×静で付き合い始めた後で甘めでってことだったのですが・・・
どうでしょうか??
甘くなってるといいのですが・・・

こちらは、リクエストくださった方のみ
お持ち帰り可能となっております。
ミカコさま、リクエストありがとうございました!!

2009/12/04


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