ガクプリ(不動峰)
唇に触れて (橘×静)
「静、ついてるぞ。」
へ?と、顔をあげた時には遅かった。
片手をテーブルについて、もう片方の手を伸ばしてきた先輩が、
指先ですっと私の口元を撫でる。
その指先をペロッと舐めて、「ケチャップだな。」って平然と言う先輩に、
咄嗟に言い返すこともできず、俯いてハンバーガーに齧り付いた。
「―――ってことが、この間あったの。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・へぇ。」
「どう思う、杏ちゃん?」
「どうって?」
「先輩・・・、私のこと、杏ちゃんみたいに思ってるんじゃないかな、って。」
「はい〜〜〜〜!?」
「か、彼女っていうより、なんだか・・・ね。」
「妹(私)みたい、って?」
「・・・うん。」
「ないわね。」
「え?」
「あのお兄ちゃんが、よ?考えてもみてよ、ありえないでしょ。」
「だって・・・」
「大丈夫よ。」
「何が?」
「うちのお兄ちゃん、周りの目も気にならないくらい静ちゃんにベタ惚れなんだから。」
「ベ、タ?」
「うん、だからさ?逆に静ちゃんもやってあげたら?」
「何を?」
「ついてるよ、ってヤツ。」
「えぇ!?」
「どーせ無意識だったんだろうけど、逆に静ちゃんから驚かしてあげなよ。」
「で、でも、そんなに都合よく口元に何かつけてるかな〜」
「そんなの、ついてなくても言っちゃえばいいじゃない。」
「・・・・・・・どんな反応してくれるかな。」
「椅子から転げ落ちるくらいはして欲しいけど、運動神経はいいからな〜。」
「先輩は運動だけじゃなくて、勉強もできるよ?」
「あ〜、はいはい。惚気はいいの、惚気は。」
7周年記念リクでいただきました〜!!
た、橘さん、一瞬だけでごめんなさいっ!!
橘さんがお相手の時だけ、安心して杏ちゃんが書けます。笑
ありがとうございました!
2013/10/16
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