ガクプリ(氷帝)
ほんの少しだけ触れた、指 (忍足×静)
「好きだから、見ていたい。
好きだから、もっと近づきたい。
好きだから、触れてみたい。
好きだから―――、その人の全部が欲しくなるの。」
彼氏持ちの友達の言葉に、大人だな〜なんて思ったのはいつだったか。
彼氏のいない私には、関係のない話。
好きな人すらいなかったその時の私には、尚更。
あの時の、言葉の意味。
今、やっとわかった気がする。
ずっと見ていたい。
だけど、見ているだけじゃ、もう足りない。
近づきたい。
だけど、近づいても近づいても、まだ遠い。
触れてみたい。
だけど、触れたその先が私は欲しい。
『彼女』がいても、先輩の人気は変わらなくて。
一緒にいても、私の存在なんて眼中にないみたいに近づいてくる人もいる。
独り占めにしたい。
私だけの先輩でいて欲しい。
それが無理なら、私だけに見せる先輩が欲しい。
好き、なんて言葉だけじゃ足りない。
繋いだ手、絡めた指、そんな熱じゃ全然足りない。
重ねた唇の熱でも、まだ足りない、の。
名前を呼んで。
手を伸ばして、そっと頬に触れてみる。
見開かれた目を先輩の眼鏡越しに見て。
多分、私の意思の確認をしようとしたその声を奪うように唇を寄せる。
身長差から、それはひどく不格好なキスだったけれど。
唇が離れた瞬間、先輩から呼吸すら奪うようなキスを返された。
7周年記念リクでいただいた忍静でした〜!!
珍しく?積極的な静ちゃんで書かせていただきました。
胡桃さま、リクエストありがとうございました!
2013/04/19
吐息の行方 (静←?)
顔は・・・見たことがあった。
名前を覚えたのは、3日前。
初めての会話は、2日前。
名前を呼ばれたのも、その時がはじめて。
俺からしたら、アイツは一人しかいない運営委員。
んでもって、ここにいる数少ない女子の一人。
あっちからしたら・・・
きっと、ただの200分の1。
「広瀬!!」
見かけて名前を呼べば、振り返ってくれる。
軽く手をあげてみれば、知った顔(つっても知り合ったのは最近だけどな)だったからか、口元がちょっとだけ綻んで。
「確認したいことがあるんだけど。」
まだ、どんな話題を振っていいかもわからないから。
今んとこ、会話のはじまりはいつもコレ。
衣装のこと、シフトのこと、接客のこと・・・
今日はテーブルの配置のことでも聞いておく、か?
俺からしたら、コイツは一人しかいない運営委員。
んでもって、ここにいる数少ない女子の一人。
それから―――なんとなく気になってるヤツ。
あっちからしたら・・・
きっと、ただの200分の1で・・・
そん中でも、
えらくやる気出してるヤツ、だと思われてる、かもしれない。
7周年記念リクでいただきました〜!!
誰でもいいから王子以外の片想いと静ちゃん、ってことだったのですが
こんな感じでよかったのでしょうか??
みーさま、リクエストありがとうございました〜!!
レス不要とのことでしたので、こちらからお礼申し上げます。
2013/06/09
恋の病につける薬なし (跡部×静)
教室を移動する途中の廊下だったり、階段の踊り場だったり。
体育の授業が終わって教室に戻る時に校舎を見上げた時だったり、
朝礼が終わって教室に戻る時だったり。
景吾先輩と『お付き合い』をはじめてから。
なんとなく目を向けた先で、先輩を姿を見つけることが多くなった。
どうして、だろ。
夏休み前までは、こんなに見かけた覚えはないのに。
見かけた時は、大抵先輩も気付いてくれて、声をかけてくれる。
距離があって声がかけられない時は、表情で。
そういう時は、なんだか胸がきゅ〜って苦しくなって。
だけど、無意識に口元が緩んじゃうくらいに嬉しくて。
後、少しだけ恥ずかしくて。
今も。
移動教室途中の渡り廊下に先輩と、グラウンドから教室に戻る私と。
声をかけるには遠くて、だから、口の端を少し上げて笑ってくれた先輩に。
思わず目をそらしてしまって、すぐに思い直して。
気恥ずかしくて、多分顔が赤いと思う。
変に緊張して、ちょっとだけ引きつりながら、
それでもなんとか笑って返せば、驚いたように目を見開いて、
先輩は片手で顔を隠してしまった。
7周年記念リクでいただきました〜!!
ひ、久々の更新・・・そして久々の跡静・・・orz
照れてる跡部様を書こうとしてなにやら失敗した感が・・・
も、申し訳ございませんっ!!
豆助さま、リクエストありがとうございました〜!!脱兎
2013/07/29
好きとか嫌いとかそういうことじゃなくて (跡部×静)
名前を呼ばれることには少し慣れた。
名前を呼ぶことにはまだ慣れない。
目が合うことはまだ慣れない。
頭を撫でられることは少し慣れた。
手を繋ぐことはまだ慣れない。
二人きり、はまだ慣れない。
キ・・・スなんて、まだまだ慣れない。
『お付き合い』を初めて1ヶ月。
花の、かどうかはわかならないけど、私も中学2年生。
テレビで見たり、友達と話したり、本で読んだり。
頭に入った『情報』を元に、色々と想像したりもした。
好きな人って特別にいなかったから、相手は俳優さんとかアイドルとか。
いつか誰かと付き合うってなった時、どういうことをするのかな〜って。
好きです、からはじまる『お付き合い』。
デートってどんなところに行くんだろ、とか。
家族や友達以外に名前を呼び捨てにされるってどんな感じなんだろ、とか。
手って、どれくらいで繋ぐんだろ、とか。
それ以上のことも、とにかく色々想像してた。
けど、これはその想像の範疇を超えてる!超え過ぎてる!!
『はい、あ〜ん。』なんて、もちろん想像してた!してました!!
火傷したら大変だから、ふ〜って冷ました方がいいのかな?とか。
こぼれ易いものはできないよね、とか。
こういうのをするって、やっぱり『バカップル』って思われるんだろうか、とか。
そんなこと考えてた時の私に言ってあげたい!
間違いなく、そう、だと。
だって、たった今、現在進行形でそんな視線を数えきれないくらいに向けられてるんだから!!
『はい、あ〜ん。』は、私の想像では私から『彼氏』に、だった。
現実はそれは逆。
場所は人気のない公園とか、ベンチで並んで座って、が私の想像。
現実はお昼時のサロンで、しかも『彼氏』の膝の上。
色々と想像と違い過ぎて、頭がついていかない。
というか、恥ずかしすぎて、どうしていいのかわからない。
「なんだ?嫌いだったか?」
って、そういう問題じゃなんですっ!!
7周年記念リクでいただきました〜!!
ふぉあ〜!?なんだか想像以上に静ちゃんが『妄想族』になってしまった・・・orz
妄想だってわかってるんですが、なんとなく文中では『妄想』って書きたくなくて
『想像』・・・ってよくわからんこだわりを見せてみました(-_-;)
魅都さま、リクエストありがとうございました!
こ、こんな跡静でもよろしいでしょうか・・アワワ
2013/11/04