ナルト
たとえ雨でも嵐の日でも (サスケ×ナルト)
「退屈だってばよ〜。」
外は大雨。
大雨?豪雨??
まぁ、とにかく、外は雨と風がすごいんだってば。
折角今日は任務がないし。
イルカ先生とこ行ってラーメン奢ってもらおって思ってたのに〜。
イルカ先生がいなかったら、カカシ先生んとこ行こっかな〜とか。
カカシ先生がいなかったら・・・どうせ暇にしてるサスケんとこ行こっかな〜とか。
色々考えてたけど、全部ぱぁだってばよ!!
部屋ん中じゃ、大した修行もできないってば。
誰か遊びに来ないかな、って来るわけないし。
「やっぱり退屈だってばよ・・・」
ベッドにのって、カーテンを開けて見れば、夜じゃないのに暗い外。
この雨の中、外には人っ子一人・・・って、あれ?
ふと感じた気配にドアの方へ意識をやれば、そこには間違えるはずないよく知った気配。
けど、こんな日に来るとは思えないし。
約束だってしてないし。
だいたい、もし来たら勝手に部屋に入ってくるヤツなのに、何してるってば?
「サス――ぶわっ!?」
そっと、外の様子を見ようとドアを開ければ、強風でドアが勢いよく開く。
そこには思った通りサスケがいて。
足元に水たまり作るくらいにびしょ濡れだったけど、何か言おうとする前に手を引っ張って部屋の中へ引きずり込む。
風に逆らって、バン!ってドアを閉めれば、ほっとため息が出た。
「どうしたんだってば、こんな日に。」
「・・・別に。」
サスケが真っ黒のフードを頭から外すと、ポタポタどころじゃなく、ボタタッ!って水滴が零れる。
とりあえず、バスタオルを頭にかぶせてやると、さんきゅ、って小さな声。
濡れたマントは絞ってはたいて、風呂場に干して。
その間に、台所でお湯を沸かして。
サスケに適当に服出して、びしょ濡れの履物に新聞紙詰めて。
濡れたバスタオルと濡れた服を回収して、洗濯機へ放り込む。
そしたら、二人分の湯はすぐに沸いて、お茶入れて、テーブルへ。
「とりあえず、座れば?」
さっきまでの退屈はぶっ飛んで。
こんな雨の中来るくらいだから、コイツもよっぽど暇だったんだってば?
ずずっと熱いお茶をすすった。
どんな時でもナルトに会いたいサスケと。
なんだか、無意識で甲斐甲斐しいナルトでした〜。笑
2012/08/15