キリハラと



昼休み、弁当はとっくに食べ終えてなにかすることないかと思ったとき。


「おい、きりはらお前なに並べてんの」

「みりゃわかるでしょ、お菓子だよおかし」

「なんで」

「お前らにあげるために」



良心的なことを言ったように装ったが要は、コンビニでやってるフェアに上手く釣られてるんだろう。

そういえば、しらねえアニメか何かのキャンペーンやってたっけ?


「きりちんこれ食っていいのー」

「どぞどぞ」


因みに皆出されたものには遠慮ないから、誰かが開けると多分すぐなくなる。

あ、ミツキがポテチ開けた。あいつ一人で全部食うぞ。



「今度はなに貰えんの?」

「抽選で、まむちゃん抱きまくら。絶対もらう!」
「……オタク…」

「あ゙ぁ?オタクで悪いか」

「スンマセン」


今の声は全くドスが効き過ぎてたぜ…怖いこわい。
きりはらはアニメオタク兼韓流好きだ。お前は女か。

流行に乗らん俺には、アイドル大国日本を飛び出して外国のアイドルに熱中するきもちがわかんねえのよ。


あ、言ったらまた怒られるから今のは忘れて。



まあ、いろいろブツクサ言っても菓子は有り難く頂く。お…やり、ポテチの味コンソメだわ。


ボリボリとお菓子を皆で貪り食う中、感じの桐原はケータイを弄っている。
最近ずっとだ。なにしてんのこいつ。


「誰とメールだよ、…彼女とか言ったら殺す」

「俺も殺す」

「俺も」

「おれもー」


寂しい男たちが集まったもんだぜ。



「ちっげーよ、ネットの人だし男だからッ!」

呆れたようにこちらをチラリと見て、投げやりに返事をするとすぐ目線はケータイに。
ネットの人ってお前。


「お前あぶねーことしてねーだろうな」

「しねえよ、俺マナちゃんを抱きしめて寝るまでは捕まりたくねぇよ」

どんだけそのマナちゃんとやらを好きなんだこのオタクは。
それが犯罪を引き止める手段ってのも逆にあぶないわ。


「まあカノジョじゃねーなら許す」

「何様だよアキラは!」


男と一日中メールしてなにが楽しいんだコイツ。ホモか。
………人のこと言えねえ。


ポリポリとスナックを頬張りながら思う。
コイツこー見えて真面目だし、もしコイツもホモだったら相談してみっかな。

あ、コンビニのポイントと引き換えの方が確実か。




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