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「ちょっ……行事ってなにさ…っていうかやっぱり剛知って……!!」

「まあまあ、ほら行くぞ?」


さっきとは反対に、剛が俺の腕を引っ張り人混みをずんずん掻き分ける。

行事というのは一体?
運動会文化祭…は早いし、球技大会?
っていうかそんなもんになんで俺が関係?


剛に引っ張られ、見事掲示板の真ん前にたどり着く。
すると、そこにはってあるのは紙切れ一枚のみ。


「なにこ………れぇ?えーっと、平成**年度、学内人気投票………?」



人気投票?
生徒のランキングみたいなものか?
右下に小さく新聞部調べ、の文字。

これ一枚をこんな人数が見に来てるのか?



「怜、ちゃんと見た?」

剛を見上げると、剛はその紙切れをトントンと叩いて、一カ所をなぞる。

そこには、

投票B


2位 秋野怜




の文字。



投票B?2位?
なにがなんだか分からず、もう一度剛を見上げた。


「え、これどーゆーこと?なんで俺の名前がぁ……??」


「まあ……簡単にいうと、怜が人気者ってことじゃん」


「なんで俺??てゆーか、…あれ?」



訳が分からない。分からなすぎてなにを自分がなにを言いたいのかもいまいち分からなくなってしまった。

2位、という順位がいいものであることはもちろん分かる。
けど、なんでここに自分の名前があるのかが全くもってわからない。

でも、朝から騒がしかったのがこの投票のせいなら、この人気投票とやらは大層有名なんだろう


でも、だからこそなんで俺?



剛は固まる俺を見て「驚いてる驚いてる」と言って笑っている。
なんだその前から知ってました的なリアクションは。


「驚きついでに、こっちもいいか?」

「へ……?」


剛の指差した先に、


投票A


4位 鳴海剛



「剛も入ってるのー!?…ってまあ、当たり前かあ……」


剛は俺にお揃いだなと言って肩を回してきた。
別に拒否ることもないのでそのままにしておくと、後ろからきゃあっ、という歓声。

まあ、シカトする。



「うわぁ…やっぱ剛人気あるんじゃん。俺隣にいたらいじめとか受けないかなあ〜?」


「なに言ってんだよ、そんなの俺がさせねぇし。まあ有り得ないけど」


剛が言うことはどこまでも格好いい。
女の子に言えばイチコロだ、といつも思う。
なんだか気恥ずかしくなってきた。



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