自宅警備員 | ナノ
自宅警備員



社会人山本×ニート獄寺



朝起きたら、隣に獄寺がいなかった。俺は溜息を吐く。多分、いつも通り夜からパソコンの前にいるままかもしれない。身支度を整えてリビングに行けば、案の定パソコンの前にいた。俺に気が付いてやっとパソコンから目を離す。次に言う事は分かっている。

「腹減った」

やっぱりだ。何だかんだ甘やかして朝飯を作ってしまう俺がいる。テーブルに朝飯を並べて一緒に食う。獄寺は俺と同居するようになってから、さっぱり働くなくなった。今まではスーツを着こなして朝から晩まで仕事をしていたというのに、どういうわけか辞めてしまった。
いわゆる、獄寺はニートになったのだ。

「なあ、獄寺、そろそろ仕事探したら、」

きょとんとして獄寺は俺を見る。

「俺はここの警備してるんだよ。何も問題ねぇだろ」

溜息が漏れる。彼は自宅警備員にいつの間にかなっていた。朝飯を食べ終えてスーツを整えて家を出ようとした、獄寺がスーツがよく似合うなと言って笑った。

「今晩早めに帰ってくんなら夕飯一緒に食おうか」

獄寺はずるい。

「頑張ってくるよ」

一度キスをして俺は家を出た。溜息。こうして俺はまた彼を甘やかす。



end





010223
main