一番赤い赤 | ナノ
一番赤い赤



山本×先天的女体獄寺 R15



「風呂入ろ、」

「一緒に、」

「うん」

「俺、生理だぜ」

「生理、」

「女だから」

「知ってるけど、」

「嫌だろ」

「いや、構わねぇよ」

これが来る度に女だと思い知り、憂鬱に苛まれた。
それが嫌いだというわけではないけれど、不快なものだ。

子宮から赤が落ちる。

生理の時に誰かと風呂に入るのはかつて無いことで、妙な気分になった。二人で服を脱いで浴室に入る。白い床がひんやりと冷たい。
何となく分かる。血が重力に引かれて落ちてくるのが。太股をゆっくり伝う。ぽたりと虚しく白い床に赤が落ちる。

鮮やかな血。

「綺麗だな」

ふと山本が呟いた。

「綺麗だ」

改めて呟いた。

「そうか、」

「そうだって」

自分の中から排されたそれを見詰める。どこから流れる血よりも鮮やかで、綺麗だ。

「綺麗かもな」

「だろ」

ぽたぽたとまた赤は滴る。ゆっくりとそれは排水口に向かう。
シャワーから湯を出せば、ビー玉の柄みたいになり流れていった。



次の月もまた来る。
そのまた次の月も。
次の月も次の年も。
女が終わる日まで。



end





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