やべ、エロ本の間に遺書忘れた | ナノ
やべ、エロ本の間に遺書忘れた



山本と獄寺 十年後



俺は今回の任務を山本と組まされた。十代目がお決めになった事だから文句を言うつもりはないが、こいつと組むのはやはり気に食わない。胸糞悪い。ふと隣にいる山本を見ると何か考えている様子だった。脳ミソも無いくせに考え事とは。

「お前何考えてんだよ、」

「え、いや、別に…」

曖昧に濁す山本に苛つく。何を考えているのか知りたいわけではないが、こうも濁されると気になる。

「てめえ言えよ」

「…実はさ、俺、任務の前に必ず遺書を書くんだよ」

「…遺書、」

任務の前に遺書を書く奴は初めて見た。いつだったか飛行機に乗る前に遺書書く奴いたっけか。

「んでさ、その遺書をエロ本の間に挟んできちゃって」

「エロ本に何で挟んでんだよ」

「エロ本眺めながら書いたから」

「馬鹿か。俺最近エロ本なんざ見ねぇよ」

「え、ウソ、」

「マジ」

山本が困った顔して笑った。この顔があんまり好きじゃない。

「じゃあ抜く時は、」

「生の女で」

「そんな金持ってたっけ」

「そこそこ」

給料獄寺と同じくらいの筈なのになあとぼやく山本を目の端に留めた。

「じゃあ獄寺、ヤらせて」

「じゃあの意味が分からねぇよ。お前ヤらせろよ」

「無理かも」

馬鹿なこいつを嘲り笑った俺。殺してやりたい。死ねばいいのに。そしたらエロ本に挟んだ遺書を見付けてやるとしよう。



end





剥製は射精する
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