夜中の安堵 | ナノ
夜中の安堵



山本×獄寺



真夜中に、どん、と縦揺れの地震が来た。
俺は未だに地震に慣れない。特に今来た地震は大きくて怖い。
携帯で時間を確認したら2時38分。
逃げられない。
いや、行く先が無い。
取り敢えず俺は山本にメールをする事にした。
こんな大きな地震でも寝てそうな気はしたが。

一言メールしてから10分後、インターホンが続けて10回程鳴らされる。

「うっせぇんだよッ、」

扉を開けた瞬間に山本に抱き締められた。

「怖いって何があったんだッ、誰かに襲われ」

「違うッ、」

とんだ勘違いをしながら此処まで走って来たらしい。

「…地震が…怖かったんだッ」

「地震…?あぁ…なるほどな。さっきの地震は大きかったな」

山本に頭を撫でられる。何となく癪だ。

「も寝る」

「え、俺は、」

俺は溜め息を吐いた。
山本をベッドまで引っ張った。

「寝るぞ」

俺はベッドに潜った。

二人だと少しきついかもしれない。

「俺が来て安心した、」

「…ん…」

後からベッドに入った山本の腕に包まれた。少しして俺は寝入った。

その頃には、もう地震の事など忘れていた。



end





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