綱吉×獄寺 「あひっ、じゅ…だいめっ…あっ、だめで、ぁ…やめて下さぃ…ひゃっ」 「やだ。獄寺君が約束破ったのが悪いんだよ」 「すみませんっ…ぁ、は…っ…も、むりぃ…」 獄寺君が顔を真っ赤にして首を横に振る。多分そろそろ限界かもしれない。 「あっははははくすぐったっ…ひゃははも、じゅだいめっも、しませんからあっ…」 「うそでしょ」 「ほんっと…じゅうだいめ…っ…」 獄寺君は涙も浮かべながら擽ったさに笑っている。獄寺君は俺と身体に悪いから煙草は吸わないという約束をした。しかしながら今日煙草を吸っているところを俺が発見。獄寺君も覚えていながら吸ってしまったので気まずい表情を浮かべた。仕方なしに家に引きずり込んで擽りの刑。獄寺君は擽りに弱い。 俺は手を止めた。獄寺君は肩で息をしている。 「獄寺君、約束破っちゃ駄目だよ」 「…分かってんですけど…こう…煙草はつい…」 煙草が癖でそれを止めるのが辛いのは煙草を吸わない俺でも分かる。でも獄寺君に肺癌とかになって欲しくは無い。し、副流煙で俺も肺癌になるのは嫌だ。もっと言えば、野球をやる山本にも良くない。 「ちょっと口寂しいから…」 「…飴舐めたら、」 「俺、飴は口に入れた瞬間噛み砕くんであまり…」 困った人だ。俺は飴食べたら最後まで舐めるけどな。口寂しさ対策に飴は駄目みたいだ。 「俺、十代目とキスしたいです。口寂しい時は」 「………」 本当に困った人。 「口寂しくない時はいいの、」 「や、口寂しくない時も十代目とキスしたいですよ、」 獄寺君は首をぶんぶんと横に振って少ししゅんとしながら言った。俺は獄寺君の髪を優しく撫でてからキスをした。獄寺君は酷く嬉しそうな表情を浮かべる。 「じゅうだいめ、」 ぎゅっと俺に抱きついてきた。そのままベッドに二人で倒れ込む。ぼふんと音を立てる。洗濯したばかりの布団は柔らかい。 「大好きです」 「ん、俺も」 獄寺君を抱き締めて、首筋に顔を埋める。相変わらず煙草の苦い匂いと何処か甘い匂い。これが獄寺君の匂いだ。獄寺君が煙草を吸い続けて肺癌とかになっても、俺が副流煙で肺癌になっても、もう別に良い気がした。 こうしていられる今があるなら。 end 090512 main |