獄寺×山本 獄寺が風呂から出てこない。普段はシャワーを浴びたらすぐに出てくるのに。俺はいけないと思いつつ、でももし風呂で倒れていたらどうしようだとか色々と心配に思いながら、獄寺の様子を伺いに行った。浴室の前で声を掛けても全く返事がない。シャワーを浴びている音もしない。いよいよ俺は心配になって、浴室に入った。脱衣室には適当に脱いで置かれた服がある。浴室の扉を開けると、獄寺はいた。それは良かった。でも獄寺は目を開けたままで動かない。 「ごくでら、」 呼んでも返事をしない。俺は焦った。まさか死んでしまったとか。事態が呑み込めず焦って俺は獄寺のそばに行き、すぐに抱き締めた。風呂に浸かっていただけあって生温い。どうしよう、このまま冷たくなってしまったら。獄寺なしで俺生きていけるのかな、そんなことより救急車を呼ばないと、というところまで考えが至ったところで、恐る恐る獄寺の顔を見た。 「ばーか」 にやにやした顔して俺を見ている獄寺がいた。生きてるんだか死んでいるんだかなんだかよく分からなくて、何も言えないまま獄寺を見詰めた。獄寺が生きてる。 「え、え、なんで、ごくでら、」 混乱していてよくわからなくて、何度も瞬きをして獄寺を見詰めた。 「お前をちょっとビビらせようと思っただけだ」 「獄寺酷い、俺ほんとに死んじゃったのかと思って、俺」 生きていたは良かったけど、相変わらずにやにやしていてすごいむかつく。安心して泣きそうになってる俺自身に対してもむかつく。獄寺は俺の頭を撫でる。濡れてる。 「ごめんな。モレッティにアッディーオのやり方教えてもらったからやってみたかったんだよ」 「誰それ、何それ、獄寺のバカ死んじゃえ」 「あーもー泣くなバカ」 やっぱりむかつくけど、獄寺が生きてて良かった。 end 120106 main |