早朝の部屋で | ナノ
早朝の部屋で



草壁×獄寺



「てっちゃん、」

獄寺がベッドで目を覚ませば、草壁はもう隣りには居らず、鏡の前で髪をセットしていた。

「起きたか」

草壁は振り返らずに声を掛け、長い髪を櫛で丁寧に前の方へ持ってきている。

「…毎朝そうやってんのか、」

獄寺はベッドから抜け出して側に行けば、草壁は鏡越しに目を合わせた。

「ああ、」

「…大変だな」

「まあな」

「…手伝おうか、」

獄寺の言葉に草壁は少し考えてから、櫛を渡した。クリームを付けながら髪を前へやり、側方から中央へとやりリーゼントを作っていくのだと説明した。獄寺は頷くと言われた通りにやり始めた。

「人にやってもらう方がやっぱり楽だな」

「じゃあ毎朝やってやろうか」

「…考えておこう」

段々といつものリーゼントが出来ていく。しばらくしてようやくリーゼントが完成した。

「できた」

「ありがとな」

草壁は獄寺の頭を撫でた。獄寺は嬉しそうに笑みを浮かべる。

「学校行く準備をしようか」

「おう」

草壁と獄寺は制服に着替え、学校に行く準備を始めた。


朝、五時のことである。



end





110414
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