俺は君の所有物 | ナノ
俺は君の私有物



獄寺×山本



俺は女の子を抱いてしまった。性欲に打ち勝てなかったんだ。可愛い顔してそそられる匂いを放ってさ、俺の首に手を回してピンク色の唇で笑う。白い肌をゆっくりと撫でさせて、そこから理性はぷつり。頭の中では駄目だって分かっていたんだけど。白い肌からピンク色の乳首、柔らかい体。ヤられる。帰宅した俺を見た獄寺は瞬間眉を寄せた。匂いか何か、そういえばキスマークを首筋に付けられたんだっけ。獄寺は炭酸飲料が並々と入っているコップを持ちながら玄関に立つ俺の方に来た。突然獄寺は俺にコップの中身をぶちまけた。しゅわしゅわぱちぱちと音を立てて髪から肩へと零れる。そしてコップを壁にぶち当てた。激しい音が響いて硝子片がぱらぱらと床に散った。獄寺は硝子片を一枚拾うと俺の首筋に少しあてる。小さな痛みの次に血が一筋。白い指が首筋の傷を撫でて赤を掬い取る。俺の唇をその指が撫でた。血の味。その上に重なる獄寺の唇。がむしゃらにキスをして唾液が混じり合う。獄寺は口を離してから真っ直ぐ俺を見た。

「お前は俺のもんだ」

そう一言言って、俺に背を向けた。

浮気も命懸けかな、なんて思った。



end





090531
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