ハリポタ小説

鳶色の目(1)


「なあ、お前はどう思う?」

翼を生やした大きな生き物。餌を食べながら、主人の話に耳を傾けている。



*********

「・・・行ってきます。」

今朝、ウィーズリー夫人に見送られて、私の甥であるハリーは尋問のため魔法省へと向かった。ふと、私の頭の中には昨夜のハリーの言葉がよみがえる。


―――――――
「もし僕が退学になったら、ここに戻っておじさんと一緒に暮らしてもいい?」

「・・・考えてみよう。」

そう私が答えた後のハリーは、とても悲しそうにしていた。

私は彼の問いに『もちろん』と言いたかった。しかし、その『もちろん』のたった一言を言うのがはばかられた。

私の親友だった彼はいない。
そんなことはもう何年も前から分かっているのに、それでも、どうしても追い求めてしまう自分がいる。

あの髪を見れば、気取っていつも黒髪をくしゃくしゃにしていた彼を。生意気な彼の態度の彼を。私やリーマスと一緒に笑ったあの頃の彼の姿を。全てを思い出してしまう自分がいるのだ。だけど。

だけど・・・
全てが彼と一緒なのに、目だけが違った。

あの目は母親のリリーのものと同じだ。
聡明で。優しくて。私の大好きだった彼を愛した人の目。

だから私は戸惑ってしまう。
あの目で見つめられれば、まるで今の自分を彼女に責められているような錯覚を引き起こす。そんなことなど決してあるわけが無いのに、だ。





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