ハリポタ小説

僕の鎖。君との鎖。(1)


「よお、元気だったかマルフォイ?」

僕の目の前にいるのはくしゃくしゃ髪の額に稲妻型の傷跡のある青年。――ハリー・ポッターだ。
その日、彼はいつものウィーズリーや穢れた血と一緒ではなく一人で、木の近くに腰掛け、遠くを眺めていた。僕達がたまたまそこを通りがかった時、声をかけられた。自然と対峙する形になる。

『僕は父上と大変有意義な夏休みを過ごした。君もさぞかし楽しい日々を送っていたんだろうね。』

皮肉を込めてそう言い放つ。いつもそうだ。ポッターとは皮肉以外のまともな会話をしたことがないように感じる。

「僕は・・・。」

いつものように言い返されると思って、思わず僕は身構える。しかし何も言われる事なく、彼は背を向けて歩き出した。それをいつものクラッブとゴイルを従えて追いかけようとすると、

「二人きりで話したい。」

相変わらずこちらに顔を向けることもせず、ポッターは歩き出した。
仕方なく二人に「先に行ってろ」とだけ伝え、自分もその後を追いかける。行き先は不明。遠くで昼休みの終わりを告げるベルが鳴る。

『おい、授業サボる気か?それとも、お偉いポッター様はそんな必要は無いってことですかね?』

「・・・。」

『聞いてるのか!?ポッター!』

「・・・嫌なら帰れば?」

『はあ?』

一瞬立ち止まったかと思うと、彼は再び歩き出した。

(何なんだ一体?二人きりになりたいと言った次は帰れだと?どうかしている。)




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