短編小説

サクラ(1)


―――救えない。私はあなたを救えない。



男の子が泣いていました。
夕方の公園に一人の少年。

彼はただただ泣いています。迎えは来ません。彼は一人きり。

一羽のカラスが鳴きました。迎えは来ません。彼はまだそこにいます。

夜になりました。迎えは来ません。彼は立ち上がりました。



「おねえさんはだあれ?」



風が吹いて月が雲で隠れます。その時、そこには何者も存在しませんでした。




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