NO.6小説
ネズミ視点★ハロウィン(1)「ガオーッ」
目覚めて上へと階段をのぼってくると、そこには何故か狼の着ぐるみに身を包んだ紫苑がいた。
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『・・・何やってんだ?』
俺は朝食のパンと野菜スープを食べながら、目の前のそいつに声をかけた。
「何って、見て分かんないの?」
紫苑はまだ狼の着ぐるみを着ている。ただし、食事中なので顔だけは脱いでいるが。
俺は小さく溜息をつく。まったく、このお坊ちゃんは・・・。
「力河さんが、今日はハロウィンだっていうから・・・。」
『はあ?ハロウィン?』
そういわれてみれば、今日は10月31日。世間でいうハロウィンというやつだったかもしれない。本当、あのおっさんの考えそうなことだ。